彫刻家のルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)は1911年12月25日生まれ。フランス・パリ出身。2010年5月31日逝去。
ソルボンヌ大学で数学を学ぶが、卒業後はエコール・デュ・ルーヴルなどで美術を学ぶようになる。38年にアメリカ人の美術史家ロバート・ゴールドウォーターと結婚すると、これを機に渡米。制作活動をスタートさせると、前衛作家のフランク・クライン、ウィレム・デ・クーニングらと共同で作品を発表した。
初めて個展を開いたのは45年のことで、その後、ニューヨークのペリド画廊に作品を出品するようになると、抽象造形の彫刻家としてルイーズの名は知られるようになる。一時は自らの制作活動に没頭し、公の場から姿を消すが、64年に再び作品を発表。ブラスター、ブロンズ、ラテックスといった新素材を用いた彫刻は、特に若手アーティストへと多大な影響を与えた。
その後も74年には「父の破壊」を、93年には「ヒステリーのアーチ」といった代表作を発表。その造形からフェミニストアーティストとしても注目されており、93年にはヴェネツィア・ビエンナーレのアメリカ代表作家に選ばれている。日本では六本木ヒルズに設置された、巨大な蜘蛛型パブリックアート「ママン」の作者としても有名だ。
これらの活動が評価されて、99年には高松宮殿下記念世界文化賞で彫刻部門に受賞されている。また、14年には「ニナ リッチ(NINA RICCI)」が、“Make do and mend(古いものを修理して使う)”というテーマの下で、ルイーズのテキスタイル作品の要素を取り入れたコレクションを発表した。