東京・墨田区のものづくり企業4社によるオリジナルファクトリーブランド「イキジ(IKIJI)」は8月4日、初の常設店舗となる「イキジストア」をオープンした。住所は東京都墨田区緑1-5-7。
店舗面積は57平方メートル。カットソー、ニット、シャツなどのメンズウエアから、雑貨、財布、名刺入れなどの小物まで様々な商品がそろう。
ポロシャツや、ニット等のファッション産業から、皮革製品や金属加工まで、技術と伝統を持つ企業の集まる墨田区。イキジは各社の独自の技術力や強みを活かしたブランドで、ブランディングには博報堂デザイン社長でクリエーティブディレクターの永井一史、デザインにはバースデーチーフデザイナーの外山聡が参画。山東京伝や北斎漫画に描かれた下町の粋・江戸の粋をコンセプトに、現代のライフスタイルに合わせたデザインを提案している。また、クールジャパンを代表するブランドとなることを目指し、墨田区の海外販路戦略事業として、フランスのセレクトショップへのプレゼンテーションなど海外展開に向けた取り組みも進めている。
これまで銀座三越、三越日本橋本店、東京スカイツリーのソラマチなどでの催事販売の他、藤巻百貨店やECサイト、テレビ通販などで販売してきたが、同店はブランドのすべてのアイテムを集めた初めての常設店舗と、世界観やクオリティーを紹介するショールーム機能を兼ね備えたブランドの拠点となるもの。
プロゴルファー、ジャック・ニクラウス(Jack Nicklaus)のポロシャツを日本で最初に手掛けたという、精巧の近江誠社長は「コレットやメルシー、フランスの手工業組合などからも評価された。拠点が出来たので、今後は年間MDなども更に勉強し、国内での販売をしっかりと確立すると共に、海外にも発信したい。イギリスやイタリアなど海外の合同展示会への参加や海外でのプレゼンテーションなども積極的に行いたい」と話す。
ショップは約50年前に工場として建築され、その後倉庫として使われていた建物を活かし、ビューティフルピープルやマーク・ジェイコブス青山店などファッションショップを多く手掛けている設計・施行会社ディー・ブレーンがリデザイン。墨田の職人である片岡屏風店のふすまや、小宮畳店の畳を使うなど、「和のモダン化」という同ブランドのテーマを表現している。
店内では精巧によるポロシャツなどのカットソーや、ニット製品製造に伝統のあるテルタが手掛けたニット、二宮五郎商店の皮革製品、ウィンスロップの布帛シャツなどを販売。ポロシャツなどはSからLLまでの4サイズを展開。メンズブランドだが三越日本橋本店などでの催事販売では女性からも人気が高く、Sサイズは女性でも着ることが出来る。