飛行機はなぜあれだけの重量がありながら空を飛ぶことができるのか。機体のメンテナンスはいかにしておこなわれているのか…誰もが一度は抱く疑問を易しく紐解き、空の旅をより身近に感じさせてくれる見学ツアー+ミュージアムが羽田空港ほど近くにある。その名も「JAL工場見学 SKY MUSEUM」。日本航空(JAL)が運営する同施設では、JALの歴史やスタッフの仕事内容を紹介する「展示エリア」や実際に飛行機を整備している「整備工場」を見学できるばかりか、航空教室に参加して、飛行機の飛ぶ仕組みなどについて学ぶこともできる。
見学は無料だが、インターネットから事前に予約することが必要。見学会開催は、年末年始を除く毎日で、10時から11時半、11時から12時半、13時から14時半、15時から16時半の1日4回。予約は、見学希望日6ヶ月前の同一日9時半より受け付けている。
見学は約90分のコースで、「展示エリア見学約20分」「航空教室約30分」「格納庫エリア見学約40分」の配分。
展示エリアは、1951年の会社設立から現在までのJALの変遷を辿ることができる「アーカイブスエリア」、客室乗務員や運航乗務員、整備士の仕事内容や業務に使用する“七つ道具”を紹介する「仕事紹介エリア」で構成。
「アーカイブスエリア」では、歴代制服を展示する華やかなディスプレイに目を奪われる他、JALの歴史を彩ってきたハイセンスな機内誌やポスターなどを見ることができる。
「仕事紹介エリア」では、各スタッフの仕事を分かりやすく図解すると共に、様々な疑似体験を楽しめる仕掛けも用意している。注目は、グランドハンドリングスタッフによる飛行機の誘導の疑似体験。画面上に映し出される飛行機を見ながら、両手にパドルを持って誘導することで、「前進」「右に曲がる」などの合図の出し方も覚えることができる。
また、実際に使用されていた客室乗務員用のシートも設置されているため、ここに腰掛けて記念撮影する見学者も多いという。ちなみに、見学中の撮影は自由。ただし、ブログやfacebookなどへの投稿は禁止なので注意しよう。
「展示エリア見学」の締めくくりには、パイロットや整備士、客室乗務員や空港スタッフの制服を着用して記念撮影するのがおすすめ。撮影用に用意された制服なので、割烹着のように前から袖を通して背中でマジックテープを止めればOKの簡単仕様。着ているものの上からまとえる気軽さがいい。
「航空教室」で教鞭を執るのは、同社のOB・OG。それぞれの経験を生かしながら、映像や画像を使って、飛行機や空港についてのあれこれを分かりやすく解説してくれる。また、右3列、中4列、左3列という、飛行機の機内を模したイスの並びで授業が行われるというのもユニークだ。
そしてクライマックスとなるのが、整備中の飛行機を目の当たりにできる「整備工場見学」。間近で飛行機の迫力を感じることができるのはもちろん、エンジンやタイヤなどそれぞれのパーツについての説明を受けることができるのも楽しいもの。ちなみに、ボーイング777に搭載されているGE社製エンジンのファンブレードは、1枚約1,000万円もするのだとか。エンジン一基あたり約22枚のファンブレードが取りつけられているので、ブレードだけで2億2,000万超えということになる。
機能美の高さゆえ、ニューヨークのMoMA(The Museum of Modern Art)にも展示されているというこちらのファンブレードも、もちろん撮影OK!
見学後に家族や友人に話したくなるネタがたっぷり詰まったミュージアムだ。