旧フランス国鉄の倉庫、フレイシネ・ホールに円形のランウェイを設置し、オランダ人アーティストのポール・ヴェルード(Paul Veroude)による、飛行機をバラバラにしたオブジェ作品を吊り下げた会場で「ジバンシィ(GIVENCHY)」の15SSメンズコレクションショーは行われた。
エレガントで精巧に仕立てられたテーラリングを中心に、カトリックの宗教的要素とスクールボーイ的要素を所々に散りばめ、スポーティーでありながらクチュールメゾンらしい重厚なクリエーションを見せた。
メインモチーフのカスミソウのプリントは「沢山の愛と宗教」の象徴として登場。黒地に白のカスミソウのバージョンとそれを反転させたもの、更に拡大、縮小したものなど全部で7種類のモチーフを駆使。
後半は、「強さと繊細」を表現したというカスミソウプリントに、パール刺繍を施したアイテムが花吹雪のように登場。クチュールライクな仕上がりはロマンティックで見るものをうっとりさせるが、同時にその表現に力強さを感じさせ、デザイナー、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)の描くパワフルな世界観の2面性、2極性を再確認させられた。