逸脱した磯崎新展、ワタリウムで開催

2014.08.30

建築家、磯崎新の個展「2×5=60」が、8月31日から東京神宮前ワタリウム美術館で開催される。2015年1月12日まで。

建築外的思考”に焦点をあてた展。ここで用いられる“建築外的思考”とは、美術、音楽、映像、写真を始めとする現代の文化表象全般における具体的「建築外」思考と、その文化表象の手法を動員して解体・再編を試みる「アーキテクチャー」というという二つの意味を持つ。磯崎はこの建築家という職名を逸脱した多面的な方法で“建築外的思考”の可視化を目指したという。

会場は、磯崎が夏期に東京のアトリエを離れ、建築外の仕事をする為の「鳥小屋(トリーハウス)」と呼ばれる軽井沢の書斎の実寸代模型を中心に構成。2・3階は「12の建築外的思考」「12のコラボレーション」とテーマを設け、磯崎が曲線定規として使用していたマリリン・モンローのプロポーションのトレース画や、これまでにコラボレーションしてきた岡本太郎、高松次郎、イサム・ノグチらとの作品などが公開される。

4階には、「12の栖」「12の(東洋篇 オリエント)」「12の旅(西洋篇 オクシデント」という三つのテーマの下、磯崎が旅した際に描いたスケッチなどを展示

また、同展では会期中に様々なイベントを開催予定。ダンサー田中泯によるパフォーマンスや、笙奏者宮田まゆみとバイオリニスト庄司紗矢香によるコンサートも実施される。これらのイベントはいづれも予約が必要。

磯崎新は、東京大学工学部建築学科卒業。1963年、磯崎新アトリエを設立し、大分県立中央図書館を始めとする、60年代に大分市に集中した建築群から90年代に国内外問わず実現された多岐に渡る建築物を、個人的な思考と空間を重視し作り出して来た。半世紀を越えるその活動は、思想、美術、デザイン、音楽、映画、演劇など常に建築の枠組みを超えた様々な表現方法で、時代や他領域を交錯する問題提起を生み出している。


【イベント情報】
磯崎新「12×5=60」展
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
期間:8月31日から2015年1月12日
時間:11:00から19:00(毎週水曜日は21:00まで延長)
休廊日:月曜日(9月15日、10月13日、11月3日、24日、12月1日、8日、15日、22日、29日、1月12日は開館)、12月31日から1月3日
入場料:大人1,000円 学生(25歳以下)800円 小・中学生500円 70歳以上700円

ワークショップ「モンドリアンの茶会」
会場:ワタリウム美術館 2階 モンドリアンの茶室
開催日:会期中の毎週水曜日(12月31日を除く)
時間:18:00から
参加費:1,500円(抹茶和菓子付き)※限定10名予約制

パフォーマンス「ひらがなをどり」
会場:ワタリウム美術館
開催日:9月20日
開催日:時間:19:00から
出演:田中泯(ダンサー)
参加料:2,500円 ※予約制

コンサート「笙とヴァイオリンによる細川、バッハ、ケージ ―磯崎新へのオマージュ―」
会場:ワタリウム美術館
開催日:11月3日
時間:16:00からの部と19:00からの部
出演:庄司紗矢香(ヴァイオリン)、宮田まゆみ(笙)
参加料:3,500円 ※予約制

対談「だから、茶室はやめられない」
会場:建築家会館 本館 ホール(ワタリウム美術館より徒歩5分)
住所:東京都渋谷区神宮前2-3-16
開催日:11月7日
時間:18:30から20:00
出演:藤森照信(建築家)、磯崎新
参加料:2,000円 ※予約制
編集部
  • 鳥小屋(トリー・ハウス)と呼ばれている軽井沢の書斎
  • 〈間〉展 日本の時空間 1978年
  • スケッチ・ブックより:サルバドール・ダリの家 カダケス、ポルトリガット、スペイン 2009年
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