現代建築界を代表する巨匠であり、東京オリンピックのメインスタジアムの設計を手掛けることが決定している建築家ザハ・ハディド(Zaha Hadid)が、東京オペラシティアートギャラリーで個展を開催する。会期は10月18日から12月23日まで。
日本初の大規模展となる本展では、模型や図面、写真、絵画などによってこれまでの作品を編集展示し、彼女の建築思想を総合的に紹介する。
バグダッド生まれ・ロンドン在住のザハは、1980年に自身の事務所を設立。83年に行われたコンペで、建築家の磯崎新の推薦により1等を獲得し、一躍世界に知られるようになる。しかしこのプロジェクトを始めとする彼女の設計案は、当時の施工技術や一部の建築思考に収まらない前衛的な内容だった。そのため、独立後10年以上にわたって自身の設計が実際に建てられることはなく「アンビルトの女王」(アンビルト=実際に建設されない)の異名を与えられていた。故に脱構築主義の建築家と見なされている。
94年遂にプロジェクトが初めて実現。その後は大規模なコンペで次々と勝利を重ね、かつ実際に建てられるようになった。そして2004年には、女性初かつ史上最年少で建築のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を受賞。その後も、ロンドンオリンピックのために建築された「アクアティクスセンター」、ローマの「国立21世紀美術館(MAXXI)」、中国の「広州オペラハウス」など大型作品を多数設計した。現在も世界各地でプロジェクトが進行しており、400人にのぼるスタッフが44ヶ国で稼働している。
日本では東京・青山の「ニール・バレット青山店」の内装デザインを手掛けた他、20年に開催される東京オリンピックのメーンスタジアムとなる「新国立競技場」コンペの勝利により、実作の建設が決定している。彼女は黒いローブのような服をまとっているが、イッセイミヤケという。
【イベント情報】
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
会期:10月18から12月23日
時間:11:00から19:00(金・土は11:00から20:00まで/最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(12月22日は開館)
入場料:一般1,200円 大・高生1,000円