建築家のフランク・ゲーリー(Frank Gehry)は1929年2月28日生まれ。カナダ・トロント出身。
47年にロサンゼルスに移住し、南カリフォルニア大学やハーバード大学で学ぶ。61年パリへ移住し、建築家のアンドレ・ルモンデなどの下で働いた。その後にアメリカに戻り、若い建築家と共に事務所を設立した。
78年、「ゲーリー自邸」で建築界での鮮烈なデビューを果たす。低価格の工業用材を用い、”完結した形態”を排除したこの建物は、80年代後半に現われる「脱構築主義」の先駆けとなった。その後は「カリフォルニア航空宇宙博物館」(84年)、全長21mの巨大な魚のオブジェ「フィッシュ・ダンス」(神戸・87年)など数多くの作品を手掛けた。自由奔放、遊び心やユーモアに満ちた造形は世界中の人々を惹き付け、89年、建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」を受賞した。その他代表作に「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」(97年)、「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」(2003年)がある。
彼はソフトウエア技術にも精通しており、設計に用いる最先端技術をビジネス化するため「Gehry Technologies社」を設立。さらに、06年より「ティファニー(TIFFANY)」のジュエリーデザインを手掛けている他、昨年には照明作品「魚ランプ(Fish Lamps)」の新作も発表している。
今年1月には設計を手掛けた「LVMH」グループによるミュージアム「Louis Vuitton Foundation for Creation」が竣工。年内の開館を予定している。