14SSアイテムがそろう今回のインスタレーションでは、白い仮面をつけたボディが新アイテムをまとう。足下にはマネキンの脚が積まれ、09年10月に初めてパリで行ったインスタレーションの雰囲気を再現した。
服を輸送する際に用いられる段ボールを利用したディスプレイ棚や、アナーキストの英国人イラストレーター、クリフォード・ハーパー(Cliford Harper)によるイラスト、ブランドロゴのモチーフにもなった古いボウリングのボールなどがブランドの世界観を伝える。ボールを押すのは、ナナとブルックに見立てた木製のデッサン用人形だ。
4体のボディの内1体は、線と数字が描かれたシンプルなドレスを着て、おそろいのドレスを着た"レモネッセンス"と名付けられた人形を手に携えている。「BLOCK DRESS」と名付けられたこのドレスは、「普通はブランドにとって企業秘密である、服作りの原型パターンをそのままデザインにしたもの」(ブルック)という。
今季は日本の繊維協会のスポンサーシップにより京丹後の織物も使用され、ウォッシュドリネンの袴風スカートや着物地を用いたブラウスなどもそろう。このコレクション製作にあたり、2人は京丹後に7日間滞在し、工房を回って素材を選び出した。「伝統ある素晴らしい着物の生地をモダンな洋服に使うのは面白いと思ったし、コレクションに合うものが見つかった」とナナ。
その他、「フィット&アンフィットのバランスがアガノヴィッチらしい」とブルックが語るポケット口を折り返したようなデザインのコートや背中にプリーツを施したトップス、スイスコットンのシャツやイギリスのシルクジャカードを使った着物風ドロップネックのブラウス、コルセット風ドレスなどがラインアップされている。
DSMGでは、アガノヴィッチのコレクションをオープン当初から扱っており、来季からスタートするメンズコレクションも店頭に並ぶ予定という。14-15AWウィメンズコレクションの制作まっただ中の2人はインスタレーションのスタートを見届けてパリへと戻って行った。ウィメンズコレクションのショーは、パリファッションウィークの公式スケジュールで2月25日に迫っている。