建築家のアルヴァ・アールト(Alvar Aalto)は1898年2月3日生まれ。フィンランド出身。1976年5月11日逝去。
1916年から21年までヘルシンキ工科大学で建築を学び、23年に建築設計事務所を開所。28年のコンペで一等を獲得した「パイミオのサナトリウム」は、北欧においてモダニズム建築が台頭するきっかけになった。「ヴィープリの図書館」の波形にうねる曲線が特徴的な天井では、フィンランドの伝統的な木材を使用。“曲線と木材の使用”は彼の作風の一つとなった。
35年、アールトを始めとする4人の手による家具メーカー「アルテック(Artek)」がスタート。自然なフォルムでどんな空間にも調和する家具・照明器具・ガラス器は、創業から70年以上経った今でも世界中で愛されている。フィンランド伝統の「挽き曲げ」技法を応用した独自の手法で作られたイスやテーブルは特に知られており、2006年に公開された映画『かもめ食堂』にも登場している。昨年10月にはドーバー ストリート マケット ギンザでスツール60誕生80周年記念インスタレーションが行われた。
戦後は、46年から48年までマサチューセッツ工科大学客員教授を務め、MIT寄宿舎の設計、戦争で破壊された町の復興、オタニエミの都市設計なども手掛けた。76年、ヘルシンキにて没。
アールトのデザイン哲学はファッション業界にも影響を与えており、「ファクトタム(FACTOTUM)」の2014SSコレクションでは、彼にインスパイアされた“波柄”のグラフィックアイテムなどが披露された。