パリ市営テニス・コートを舞台に15ウインターコレクションを発表したディオール オム(DIOR HOMME)。ランウエイ中央ではKoudlamの「The Landsc Apes」に合わせてオーケストラが演奏し、周囲をモデル達がウォーキングした。
サルトリアル(縫製・仕立)スタイルをテーマとし、黒を中心に、ボルドーやネイビー、イエローを差し色に使用。慣例とは逆に夜会服からスタートした。ムッシュ・ディオールの生家の庭園を想起させる、押し花のカンバッジを飾ることで適度な遊びを加え、フォーマルウエアのカジュアルダウンを提案している。デニムのシリーズでは、コーディングしてレザーのような風合いを出したブルゾンやコートなどが登場し、男性的で荒々しい側面を見せた。
特に目を引いたのが、メッシュニットのシリーズと、ブロケードのような華やかさと重厚感を見せたニットジャカードのシリーズ。プリンス・オブ・ウェールズとハウンドトゥースパターンのメッシュニットのアイテムは軽やかさを放ち、ポピーをモチーフにしたニットは独自の光沢感を見せてコレクションに華を添えた。最後に、押し花のカンバッジを飾ったプリンス・オブ・ウェールズのビジネススーツ3体で締めくくり、ショー冒頭との対比を印象付けた。