「クラシカリー・ボヘミアン」のテーマの下、ボヘミアンなフローラルやミラー刺繍、大きなニットポンチョを端正なテーラリングスタイルと合わせたのは「バーバリー プローサム(Burberry Prorsum)」。トレンチコートにも長いフリンジの付いたスカーフを巻いて、ボヘミアンとブリティッシュクラシックをクロスオーバーさせた。ミラー刺繍はスカーフに始まってトートバッグ、インナー、やがてジャケットへと次第にギラギラ感を増して行くが、全てのモデルが掛けていた「スカラー(学者)」と名付けられた眼鏡のおかげで、どこか優等生的な雰囲気を保っている。ボトルグリーン、バーガンディー、マスタードなど深みのある色も多用され、どこかメランコリックな空気も漂わせていた。
ランウエイショーとしてはスケジュールのトリとなった「ナジール マザー(Nasir Mazhar)」は、ブランドの原点に帰ったようなトレーニングスーツだらけのコレクション。ただし、スポーツをするためのものではなく、普段着としてのトレーニングスーツや、夜遊び着としてのトレーニングスーツだ。マザー自身が生まれ育ったイーストロンドンのティーンエイジャーたちの定番スタイルでもある。パンツのあちこちにファスナー付きのスラッシュを入れてみたり、コットンとナイロンをパッチワークしてみたり、ナイロンにキルティングを施したりと、ベースは全てトレーニングスーツながら、様々なバリエーションを見せた。
ナジール マザー 15-16AWコレクション
LC:Mでは2回目のプレゼンテーションとなった「コットウェイラー(Cot Wailer)」も、テフロンコーティングしたコットンなどテクニカル素材を用いたトレーニングスーツをフィーチャーした。白、ペールブルー、ペールグレーなど淡い色が中心のカラーパレットにすっきりしたシルエットのコレクションはクリーンだが、どこか不気味な雰囲気でもあった。