ラフ・シモンズ(Raf Simons)がピッティ・ウオモ(PITTI UOMO)に戻ってきた。2003年を最初に2005年に自らのコレクション、2011年にはジル・サンダーのクリエーティブディレクターとしてこれまで同展でコレクションを発表してきたラフ・シモンズが、第90回ピッティ・イマジネ・ウオモで17SSメンズコレクションを発表した。
昨年秋にディオールのクリエーティブから離れ、注目されたコレクションは会場に過去の自身のアーカイブをマネキンで展示。新作の17SSメンズコレクションはロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)の作品を、自らの20年にわたるアーカイブに重ねるように生地にプリント。たっぷりと用尺を取ったシャツやコート、ニットなどは構築的でありながらミニマムなデザインで、自身のテーマである“PRIDE IN INDIVIDUALITY(個性こそ誇り)”をアートなセンスとともにフィレンツェの地で再確認するように魅せた。
パティ・スミス(Patti Smith)やローリー・アンダーソン(Laurie Anderson)、ウィレム・デ・クーニング(Willem de Kooning)などメイプルソープの白黒写真がプリントされたアイテムをベースに、ボトムスはほぼ黒。コレクションのブリッジとして登場する赤とコバルトブルーの色使いとレザーのエプロン、茶、紫、緑の差し色、チェック、ストライプのシャツがラフらしいイノセントな“ユース”を象徴している。
Text: 野田達哉