2014年に“写真界のノーベル賞”と言われるハッセルブラッド国際写真賞を受賞した写真家、石内都の個展「Frida is」が、6月28日から8月21日まで、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催される。
1979年に、街の空気、気配、記憶を捉えた写真集『APARTMENT』で、第4回木村伊兵衛写真賞を受賞した石内都。2005年には、母の遺品を撮影した『Mother’s 2000-2005 未来の刻印』で、第51回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表に選出され、世界的に注目を集めるようになった。
2007年より現在まで続く、原爆で亡くなった人々の遺品を撮影した『ひろしま』シリーズも国際的に高く評価され、近年は国内外で数多くの個展を開催。これまでに、大正、昭和に流行した着物、銘仙を撮影した『絹の夢』を発表したほか、子供の着物を撮り下ろした『幼き衣へ』を発表し、布や記憶にまつわる作品に精力的に取り組んでいる。
また、2012年には、メキシコを代表する女性画家フリーダ・カーロの遺品を、フリーダの生家でもあるフリーダ・カーロ博物館で3週間にわたって撮影。その撮影の模様を捉えたドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 -石内都、織るように』が昨年公開され、話題を集めた。
今回開催される石内都展「Frida is」では、フリーダが身に着けていたコルセットや衣服、靴、指輪などの装飾品に加え、櫛や化粧品、薬品など、彼女の死後50年となる2004年に封印を解かれた遺品を撮影した石内の写真集『Frida by Ishiuchi』、『Frida 愛と痛み』シリーズから、31点の作品を公開。会場では、苦しい状況の中でも常に美を意識し、情熱的な生涯を過ごしたフリーダの遺品を、“青い家”と呼ばれるフリーダ・カーロ博物館で、フリーダと対話をするように自然光の中で撮影した石内の作品が展示される。
なお、石内の作品は、同展の期間中に資生堂銀座ビル、SHISEIDO THE GINZA、東京銀座資生堂ビルでも展示される。また、会期中の7月2日には、石内とmameのデザイナー黒河内真衣子による対談が行われる。申し込み方法は、資生堂ギャラリーのオフィシャルサイトで確認出来る。
さらに、同展に合わせて未発表の写真を中心とした写真集『フリーダ 愛と痛み』と石内のエッセイ集『写真関係』が刊行されるほか、ドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 ―石内都、織るように』が、7月23日より大阪のシアターセブン、7月30日より東京のアップリンクで再上映される予定だ。
【イベント情報】
石内都展「Frida is」
会場:資生堂ギャラリー
住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
会期:6月28日から年8月21日
時間:平日11:00~19:00、日曜・祝日11:00~18:00
料金:無料
休館日:月曜日(月曜日が祝日にあたる7月18日も休館)
【関連企画】
対談:石内都 × 黒河内真衣子(mameデザイナー)
会場:花椿ホール
住所:東京都中央区銀座7-5-5資生堂銀座ビル3階
日時:7月2日
時間:14:00~16:00
料金:無料(申し込み多数の場合は抽選)
定員:200名
【書籍情報】
『フリーダ 愛と痛み』
編著:石内都
発刊:岩波書店
A4判/上製
発売:2016年6月17日
【書籍情報】
『写真関係』
編著:石内都
発刊:筑摩書房
A5判/上製/カバー装
発売:2016年6月上旬