衣料素材としての『和紙』に出会い、未来を纏う。和紙のテキスタイルとプロダクト展、開催

2015.12.16

和紙が衣料素材の “糸”となり、様々な生地に実用化され始めている。

もともと和紙は、四季がある日の風土とともに育まれてきた素材。高温多湿の夏には水分を吸収し、乾燥する冬には水分を吐き出すという機能をもち、快適な暮らしのために伝統的な日本家屋には欠かせない。

この呼吸する素材、和紙の特徴をそのままに、広島県福山市のメーカーが開発した和紙の糸(和紙糸:わしいと)は、木綿の10倍の吸水性と1/3の軽さという機能性をもつ。和紙糸は“未来の素材”として今、注目を集め、和紙ポリエステル鹿の子や和紙ポリエステル天竺、和紙デニム、和紙ダンガリーなど、様々な生地に実用化され始めている。

展示では、和紙にこめられた先人の知恵に触れながら、和紙を先端素材として取り上げ、様々な和紙プロダクトを紹介。シャリっとした和紙布の肌触りを体験することができる。

また会期中には、本展示のテキスタイル開発、テキスタイルデザインと最終製品のデザインを担当した浜井弘治によるワークショップ「和紙布でつくるトートバッグ」やWWDジャパンシニアエディター松下久美も参加する公開インタビューも実施する。浜井弘治は、第61回装苑賞を受賞し、三宅デザイン事務所でも服飾デザイナーとして活躍したファッションデザイナーだ。さらに、和紙が糸となり布になるまでの技術やドラマを、漫画家・内田春菊がイラストレーションで楽しく、わかりやすく描く。

「住まうための素材」から「着るための素材」として洋服 生地への応用・研究が進められる『和紙』。本展示でその心地よさや肌触りを体験しながら、和紙糸と和紙プロダクトの未来を感じたい。

イベント情報】
WASHINOITO -未来を着る、浜井弘治の和紙のプロダクト展
会期:12月26日~2016年1月24日 会期中無休(12月29日~2016年1月3日は休館)
時間:9:00~20:00
会場:生活工房ギャラリー三軒茶屋・キャロットタワー3F))
入場料:無料
主催:(公財)せたがや文化財団 生活工房 協力:有限会社大原織物、株式会社オザキプリーツ、株式会社山陽ニット、篠原テキス タイル株式会社、島田製織株式会社、シマダテキスタイル株式会社、中伝毛織株式会社、 ニッセンファクトリー株式会社、備後撚糸株式会社、株式会社アクトブラバリー、有限 会社エムドゥーコム、合同会社匠山泊、有限会社リサイア
展示会場イラストレーション:内田春菊
後援:世田谷
オカモトサヤカ
  • WASHINOITO-未来を着る、浜井弘治の和紙のプロダクト展
  • ワークショップでは、和紙布に実際に触れてトートバックを作ることができる。和紙布の未来と繊維産業を考える公開インタビューも開催。
  • 和紙布でつくられた浜井氏の作品。本展でもこの人型を用いて空間演出を行う。
  • サルエル和紙デニム。生地生産:広島県福山市、縫製:山口県山口市
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