今年2月に英国で初めて神戸牛を専門的に提供する日本食レストラン「エンガワ(engawa)」をロンドンSOHO地区のハムヤードホテルにオープン。懐石スタイルのサービスと日本酒を集めたSAKE BARが、英国のセレブたちの間でも評判になり、ロンドンで“和牛ブーム”を巻き起こしたソルト・コンソーシアムが11日、東京・西麻布に和牛をインターナショナルな視点で提案する焼き肉レストラン「ジ イノセント カーベリー ワギュウ スペシャリティ ラボ アンド レストラン(The INNOCENT CARVERY WAGYU SPECIALITY LABO & RESTAURANT)」をオープンした。
カーベリーはお肉を切り分けて出すレストランという意味で、ファサードはショーケースに精肉が並びブッチャー(肉屋)のラボが併設。産地やランク、部位を客が好みでセレクトすることができ、シャンパン、ワインも充実させ、店名通り「イノセント(純潔、無垢)」な焼き肉レストランを目指す。
「海外からのゲストから和牛が食べられるレストランを教えて欲しいと良くリクエストされるが、彼ら自身が焼き肉や和牛に関しての知識がなく、オーダーも難しく、カジュアルに楽しめる店がないという背景もあって、今回、和牛を知り尽くした2人と共にやることにした」と井上盛夫ソルトグループ代表はオープンの経緯を話す。
その二人とはエンガワの神戸牛コーディネートをはじめ、世界20都市に日本トップブランドの和牛を輸出、トップレストランのシェフと和牛の生産者をつなげている和牛コーディネーターの浜田寿人氏と、元「ちゃんと。」のオーナーシェフで、Ken’s Dining」「銀座橙屋」「Porter House」などを手掛けた岡田賢一郎氏。「ウチでは肉と呼ばず“お肉”、牛と呼ばず“牛さん”と呼んでいる。エレガントでカジュアルな新しい焼肉スタイルを提案したい」と岡田氏。
「ワインのパラレルテイスティングで5大シャトーの飲み比べができるように、ブランド和牛の食べ比べができるレストランを考えた。ワインと同じように、その地のテロワールが肉質や味の違いで、そこには生産者の思いが詰まっている」とハリウッドの映画畑から、和牛に魅せられて現職に転身したという浜田氏の思いは熱い。
なお、ソルト・コンソーシアムは今秋ロンドンの「エンガワ」に続き、ケイト・モスやマドンナ、アル・パチーノらがメンバーで、「セックス・アンド・ザ・シティ」のロケ地として知られる英国の会員制クラブ「SOHO HOUSE」が運営する英国オックスフォードの「SOHO FARMHOUSE」に、和食レストラン「PEN YEN」をオープン。乗馬クラブや敷地面積100エーカー(120万坪)のなかに、アイススケートリンクとレストランが併設されている。