約400点もの作品が展示され、新宿駅周辺各所をアート空間にするイベント「新宿クリエイターズ・フェスタ2015」が開催中だ。
本イベントは今年で5年目を迎え、彫刻家・保坂俊彦氏やストリートアーティスト MOT8、チョーヒカル など新進気鋭の若手アーティストを新たに迎えた。新宿というメディアや情報で溢れる街のなかでも、ひときわ目立つ作品群が人々の足を止め、こどもから大人までを楽しませている。
このイベントの大きな魅力のひとつとして、開かれた空間で無料で作品を楽しめるよさがある。モア4番街や、西武新宿ペペ前通路、西口のオフィスビルなどにアートが登場するため、時間帯によって作品の違う表情を楽しむことができ、いつでも立ち寄ることができるのだ。
ヒルトン東京の地下1階、ヒルトピアアートスクエアで開催されている写真家・山下裕之の「アナザーワールド another world」では、夜の静寂のなかでドラマチックな表情をみせる関東のそれぞれの街を象徴するような建築物の表情が切り取られていた。
日光というひとつの温度で表現される光が消えるため、夜は蛍光灯やLEDなどの様々な光が持つ温度を写真で表現できるようになるという。
様々な濃い青の色調を背景に、日中の表情とは違う街や建物が、各々の輪郭を主張し、新たな存在感をもって写真に映し出されている。これらの写真にPhotoshopなどでの後加工が一切されていないというのは驚きだ。
今年は、初となる山下氏によるフォトセミナーが2日にわたって開催された。それ以外にも、本イベントでは、出展しているアーティストと交流ができるアーティストナイトも例年開催され、アートに実際に会い、話をすることでアートに近づくことができる場が設けられている。
新宿の巨大ビジョン、アルタビジョン、フラッグスビジョン、ユニカビジョン、そしてエストビジョン バイ ルミネエストでは、映像作家 山本信一、アーティストでありデザイナーでもある勅使河原一雅の作品が、約一時間に2分程度の頻度で放映*される。
様々な広告メッセージで日々彩られる巨大ビジョンが、一瞬にして世界的なアーティストの圧倒的な作品に占拠されるという、その街に居るからこそ感じられる空間の異化作用を是非、新宿の街で体験してほしい。
■*各ビジョンによる放映時間
山本信一
勅使河原一雅
■放映されるビジュアルアート作品
「DIMENSION A」(山本信一)
「DARK ENERGY」(山本信一)
「サバイヴ」(勅使河原一雅)
■山下裕之「アナザーワールド another world」詳細
【イベント情報】
新宿クリエイターズ・フェスタ2015
会期:2015年8月21日(金)~9月6日(日)
※一部期間外のイベント・展示もあり
場所:新宿駅周辺各所、新宿西口高層ビル街、歌舞伎町、新宿モア4番街、神楽坂、市ヶ谷ほか
料金:無料
主催:新宿クリエイターズ・フェスタ実行委員会、新宿区