コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)2015-16秋冬コレクションは前3シーズンからつながるように、ボリューミー・抽象的な形がランウエイを歩き、リアルからは逸脱したコレクションショーを見せた。今回のテーマは「別れの儀式」。
モデル達はすれ違う時一旦向かい合って静止し、今生の別れを惜しむかのように顔を一瞥し、通り過ぎていく。送る人も送られる人も最期の時をふんだんに着飾って、とでも言うかのようにギャザー、リボン、ボーン、詰め物でガーメント達は誇張される。素材使いで目立ったのはウエディングや葬礼服をイメージさせるレース。ヴェールやレイヤリングに用いられロマンティックかつ儚げな印象を醸した。
2014春夏「服でない服」で服を再考し、人間の精神の奥底にある「モンスター」を表現した2014-15秋冬、2015春夏では肉体を想起させる「バラと血」と続いたコム デ ギャルソン。今回は言うなれば「死」か。デザイナー・川久保玲が来シーズン考えていることとは何であろうか?