クリスマス、忘年会、年越し……。週末に友人や仕事仲間を自宅に招いてホームパーティーを企画している人も多いのでは。そんな年末の特別な時間にふさわしいのは、いつもより贅沢なシャンパーニュとお料理。
とっておきのシャンパーニュに合わせたいお料理を、食とお酒に精通する料理家・稲垣知子さんが提案します。シャンパーニュの美味しさをより一層引き立て、しかも簡単にできて、パーティでの会話も弾ませる、まさに一石三鳥のレシピです。
このレシピの一番のポイントは、“牡蠣”のグラタンの中に“柿”が入っているという驚きがあるということ。くすっと笑える要素と、食材としても意外な組み合わせがその場をパッと明るくしてくれます。季節感もあって、うきうきとした気持ちにさせてくれる。そんなお料理とシャパーニュがあれば、年末を華やかに楽しく過ごせそう!
■レシピ 1 「柿と蕪のマリネサラダ」…調理時間8分
<材料>
柿1/2個 蕪1個 セルフィユ適量
・ドレッシング
白バルサミコ 大さじ1 エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1 塩小さじ1/8 カルダモンシード1粒
<作り方>
1.まずはドレッシング作りからスタート。カルダモンシードは香りがよく出るよう手で裂き、種をほぐすように軽くもんで白バルサミコ、エクストラバージンオイル、塩と合わせてよく混ぜておく。
2.蕪は葉の部分を切り落とし厚めに皮をむき、1センチ程度の厚みのくし形に切る。塩(分量外)をして少しおき、水気がでてしんなりしたらつぶさないよう軽く絞る。
3.柿は皮をむいて蕪と同じくらいの大きさのくし形に切り、種は除く。
4.1のドレッシングと蕪と柿をざっくり混ぜ、味がなじむまで20分ほどマリネしたら出来上がり。お好みでセルフィユなどをあしらいます。
<ポイント>
サラダとして楽しむので、柿は熟れすぎていない歯触りが残っているものがオススメ。今回は富有柿を使っています。また「白バルサミコが家にない」という場合はレモン汁大さじ1に蜂蜜小さじ1を合わせてもおいしいのでぜひお試しを。
■レシピ 2 「牡蠣と柿のグラタン」(2人分)…調理時間20分(焼き時間含む)
<材料>
牡蠣(殻つきで大粒のもの)6から8個 熟れ柿1/2個 生クリーム大さじ3から4 胡桃(乾煎りしたもの)3から4粒 とろけるチーズ適量 塩適量 粗挽き黒胡椒少々
<作り方>
1.牡蠣は水洗いして汚れを落としたらペーパータオルでおさえて水気をふいておく
2.熟れた柿の種をのぞきつぶして生クリームと混ぜ合わせ塩少々で味を調える
3.耐熱の器に1の牡蠣を並べ2のソースをかけたら砕いた胡桃、溶けるチーズを乗せて魚焼きグリルで10分から15分焼く。牡蠣が熱々になってチーズに香ばしい焦げ目がついたらできあがり。
<ポイント>
生クリームに合わせる柿は、熟れてとろみのあるものがベスト。まだ柿が固い場合はすりおろして。また、牡蠣とチーズの塩気があるので、お塩は控えめがオススメ。最後にお好みで粗挽きの黒胡椒をあしらうと見た目もプロっぽい仕上がりに。
「この季節、牡蠣は旬で料理によく登場しますが、私自身、シャンパーニュか泡の日本酒に合わせるのがとても好きなんです。牡蠣は生でもいいのですが、今回ご紹介したグラタンにすると、よりクリーミーでふっくらしたお味になる上に果物のフルーティーな甘みが加わるため、一層シャンパーニュとの相性が良くなります。ブラン・ド・ブランのような繊細でありながらキレと酸のあるシャンパーニュとも合いますし、一方、厚みがあってコクのあるタイプを合わせて、深みを増すような合わせ方も、またいいですよね」料理家・稲垣知子
【稲垣知子 プロフィール】
料理研究家・酒肴家。雑誌、書籍、料理教室などで、丁寧でからだにやさしいレシピを紹介しつつ蔵元勉強会を主宰し、お酒と肴のマリアージュと楽しみ方を提案している。誠文堂新光社刊『日本酒マリアージュ』、文化出版局刊行『おかずおつまみ』、プレジデント社『dancyu』、池田書店『焼酎・泡盛BOOK』、徳間書店『食楽』、NHK出版『男の酒肴』他。