数々の著名ブランドのコレクションショーでメイクアップを手掛ける「マック(M・A・C)」でアーティストリーディレクターを務めるロメオ・ジェニングス(Romero Jennings)氏が来日。今秋冬のトレンドメイクについて、話を聞いた。
――14-15AWは、ノーメイクに近いナチュナルなメイクがトレンドになりそうですが、コツはありますか?
肌はあくまでヘルシーに見せて、その人の持つ個性を出す。このようなメイクをするには、とにかく肌を綺麗に整えておく事が重要です。「プレッププライム」という下地のシリーズがあるので、これで肌を整えるのがおすすめ。このトレンドはしばらく続くと思います。
――スキンケアも重要ですよね。
「M・A・C ライトフル ソフニング ローション」という化粧水が、肌をなめらかにするのにはぴったりです。「M・A・C ライトフル モイスチャライザー」という乳液状のものは、ライトなテクスチャーだから肌をとてもなめらかにしてくれる。これらはメイクの前には欠かせないアイテムです。ヘビーなテクスチャーだとメイクが崩れてしまうので要注意!
高温多湿のアジアでは、特にオイルのコントロールとバランスをとることが大切。肌が暗めの人は皮膚が厚く、テカリやメイク崩れが起きやすいので、オイルコントロールが必要なのです。また、肌が明るく皮膚が薄い人は、乾燥しやすいため保湿をしっかりとしてくださいね。
――日本人女性のファッションやメイクについてどういう印象をお持ちですか?
前はとてもキュートな印象があったんけど、最近はキュートなだけじゃなくセクシーな印象も受けます。この二つをバランス良く併せ持つことができるのは素晴らしいこと。アメリカ人も、日本人のこのような部分を参考にし、採り入れている人が増えていますよ。ちなみに私も80年代に5年間ほど日本に住んでいたことがあります。(日本語で)「日本好きです!」
――日本人女性に似合うカラーは?
まずスキントーンに関わらず、ブルーとかラベンダーパープルなどコールドなカラーは肌をフレッシュに見せてくれます。日本人には特にパープル、プラム、オレンジなどがオススメ。フラット顔立ちでも、それらのカラーを上手くブレンドしていけば、肌は立体的に見えますよ。
また、どのカラーが似合うかは、肌のトーンや色相にもよりますから、例えば同じピンクでも、青みがかったピンクと黄味のあるピンク、どちらが自分に似合うのか試してみたり。そういう所から始めると思います。
――M・A・Cのコレクションで一番印象に残っているのは?
沢山あるから難しいですが、最近では、ニューヨークの「プロエンザ・スクーラー(Proenza Schouler)」というファッションブランドとコラボレーションしたコレクションがとても美しくて印象に残っています。
――ショーのメイクは、何からインスパイアされますか?
M・A・Cは毎シーズン200以上のブランドのバックステージに入っています。ブランドやそのデザイナーからインスパイアされることもあるし、私達からデザイナーにアドバイスすることもあります。私達M・A・Cはメイクもファッションの一部と考えています。デザイナーとお互い協力し合ってショーを成功させるのです。
――今日着てらっしゃるジャケットは個性的なデザインですね。ファッションデザイナーも志していらっしゃったそうですが、服装へのこだわりは?
僕は痩せ型だから自分に合う服を見つけるのが難しいのです。だから既製品を買って、自分でアレンジしています。今日のジャケットは、袖をカットしてバラバラにしてピンで留めてみました。唯一自分に合っているのは「リック・オウエンス(Rick Owens)」。スキニーやジャケットを愛用しています。