ファッションエディターのダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)は1903年7月29日生まれ。フランス・パリ出身。89年8月22日逝去。
ニューヨークに移住したあと、19歳で銀行家のリード・ヴリーランドと結婚。優雅な着こなしで社交界でも注目を浴びていた彼女を、当時『ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)』の編集長だったカーメル・スノーがスカウト。ファッションエディターとして、コラム“Why Don’t You?”の連載を始める。60年にはジャクリーン・ケネディのファッションアドバイザーも務めた。
62年にはライバル誌『ヴォーグ(VOGUE)』の編集長に就任し、雑誌の黄金期を支えた。その中で彼女は数々のモデルやクリエーターを見出していく。当時はまだ無名だったローレン・バコールをモデルとして採用し、20世紀を代表する写真家リチャード・アヴェドンを誌面で起用。ロンドンから呼び寄せたツィギーは、“ミニの女王”として大ブレイクした。
71年に編集長を退くと、メトロポリタン美術館の衣装研究所顧問に就任。コンサルタントとしてイヴ・サンローラン展など、数々の衣装展を成功させる。日本でも75年に開催された衣装展「現代衣服の源流」の監修を行った。
そんな彼女の華々しい生涯は、12年に公開された映画『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』で再び注目を集めることになった。作中では当時の貴重なアーカイブ映像や写真の数々を見ることができる。