ロックミュージシャンのジム・モリソン(Jim Morrison)は1943年12月8日生まれ。アメリカ合衆国・フロリダ州出身。1971年7月3日逝去。
アメリカ海軍の高級軍人を父に持ち、幼い頃から厳格なしつけを受けて生まれ育つ。47年にはトラックの衝突事故に遭遇し、荷台から落とされたアメリカ先住民たちが血まみれになって倒れている姿を目撃。このことが、後の人格形成に大きな影響を与えたと言われている。やがて、読書や詩、哲学を愛するようになったモリソンはフロリダ州立大学に入学するが、64年に両親の反対を押し切ってUCLAの映画学科へと編入。そこで、レイ・マンザレイク(Raymond Manzarek)と出会ったことがきっかけとなり、ロックバンド「ドアーズ(The Doors)」を結成した。
ドアーズは67年にアルバム『ハートに火をつけて』でデビューを果たす。すると、これをきっかけにドアーズの人気が高まり、セカンドシングル『ハートに火をつけて』がビルボードの週間ランキングで1位を記録。ドアーズは一躍アメリカを代表するロックバンドとなった。
その一方でモリソンはドラッグや酒に溺れるなど、刹那的な人生を過ごしていた。67年に人気バラエティー番組「エド・サリヴァン・ショー」に出演した際には、ドラッグを連想させる歌詞の一部を変えるようにと言われるが、モリソンは原曲をそのまま歌って関係者から非難を受けている。その影響はライブにも見られるようになるが、挑戦的かつ反抗的なステージは、かえってファンを熱狂させていた。
しかし、69年にマイアミで開催されたコンサートで性器を露出させると、モリソンは軽犯罪容疑で逮捕されてしまう。この事件でバンドが世間から非難されると、ドアーズはライブ活動を自粛。また、この頃からモリソンも肥満が進んでおり、やがて人生に絶望するようになると、アルバム『L.A.ウーマン』の収録後にパリへと移住。詩の執筆に専念していたが、71年に自宅のアパートで死亡している姿が発見された。
デビュー当時、モリソンはそのルックスと革パンツをセクシーに着こなすスタイルによって、ロック界におけるセックスシンボルとなっていた。「ポール・スミス(Paul Smith)」は14-15AWシーズンに、モリソンへのオマージュを込めたコレクションを発表。当時の着こなしや、モリソンが好んだサイケデリックな世界観をイメージした作品を製作している。