14-15AWオートクチュールコレクション初日に発表した「アトリエ ヴェルサーチ(Atelier Versace)」は、現在商工会議所として使用されている、凱旋門に程近い19世紀の館を舞台にてショーを行った。
クリエーティブディレクターのドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)が掲げた今シーズンのテーマは、「構築・脱構築」。テーラードを中心に、削ぎ落とされたシャープなシルエットにまとめ、シンプリシティーを追求。ただ、あらゆるものすべてを削ぎ落とすのではなく、細かな職人技を随所に散りばめながら、独自の布あしらいでラインは崩さず、アトリエ ヴェルサーチらしい世界観はしっかりと保たれている。
マイクロスパンコールでグラデーションを描いたトップスには、今シーズンを象徴するアイテムの一つである、片足だけパンツになったロングスカートを組み合わせ、斬新なルックとなった。レザーのフリンジを全面に縫い付けたドレスや、スワロフスキーのクリスタルメッシュをあしらったファーのジャケット、クリスタルメッシュを編みこんだニットなど、手の込んだアイテムが目を引く。また、後半では、ロールアップしたTシャツが上半身の一部になっているドレスなども登場し、ワークウエアの要素も織り交ぜた、クチュールの新しいアプローチを提案。
ドナテラは、「アトリエ ヴェルサーチは本物のクチュールを提案するメゾン。生地の一部を剥ぎ取ったりすることに挑戦し、クチュールモダンを表現したかった」とコメント。