「ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)」は7月18日、同ブランドのプレスルームで15SSインスタレーションを行った。同ブランドがインスタレーション形式でコレクションを発表するのは初めて。パリの展示会で発表したメンズコレクションの中から20体をボディに着せ、東京での展示会に先駆けて紹介した。
アナログとデジタルを駆使し、テーラードにスポーツとミリタリーを融合させた今シーズン。テーラードアイテムにパイピングやグログランテープをプラスしたデザインは、スポーティーな中に、ミリタリーのストイックさも組み込んだもの。素材はホームスパンやGK加工という特殊加工によって紙のような質感に仕上げたコットン、ケミカルウォッシュした生地をさらにオーバーダイしたデニムなど、天然素材を新しい感覚に仕上げている。色はグレー、ネイビー、ブラック、ホワイトにイエローやレッドをプラス。柄はドリッピングのようなプリントや女性アートディレクターデュオ、アホネン&ランバーグによるカムフラージュと共に、織りでストライプを表現したパンツなど、デジタルプリントと素材の織りや編みといったアナログ的手法の両方を使っている。
デザイナー柳川荒士氏はパリでショーを行わなかった理由とインスタレーションについて「パリで7回ショーを行ったが、パリに行ったことで素材、シルエット、フォルム、ショーの構成まですべてがよりダイナミックに、よりストイックになるなど、良い部分もあったが、僕の服はパターンの上に成り立つ構築的なものなので、ショーでは伝え切れない部分もあった。もっと服にフォーカスし、素材や縫製の良さ、ディテールの突き詰め方などを明確に伝えるにはどうすればいいのかを考え、新しい形で発表していこうと思っている。東京のインスタレーションは世界観をどう表現するのか試行錯誤しながら進めた。今シーズンは今までやってきたものの中でも特におもしろいものができたが、1体1体の作品を真剣に見て、素材に触ってもらうことで、理解してもらえたと思う」と説明。
また、今後について「パリの展示会は続けるし、数シーズンインスタレーションをする可能性もある。だが自分達はショーをするべきブランドであり、世界観を強く打ち出してチャレンジしていくためにも海外での発表を続けることが必要だと思っている。コレクション発表の場としてどこが一番良いのかについても考えている。それがパリメンズなのかロンドンなのかはわからないが、今回の結果を見て今後どうするのかを冷静に判断したい」と語った。