工業デザイナーでフューチャリストデザイナー(視覚未来作家)のシド・ミード(Syd Mead)は1933年7月18日生まれ。アメリカ合衆国・ミネソタ州出身。
コロラド州のハイスクール卒業後、コロラド・スプリングスにある映画製作会社にアニメーターとして就職。その後、フォード・モーター社から奨学金を受けて、ロサンゼルスのアート・センタースクール(現在のアートセンター・カレッジ)に入学。インダストリアルデザインを専攻する。
59年にフォード・モーター社に就職し、数々のカーデザインを担当。その2年後にUSスチール社へと就職すると、今度は鉄鋼材を利用したインダストリアルデザイン・カタログを製作する。すると、その未来的なデザインが高く評価され、シドの名は徐々に業界へと知れ渡っていった。70年には独立し、デトロイトにシド・ミード社を設立する。
シドが初めて映画に関わったのは、79年公開の『スター・トレック』だった。この作品で彼は人工生命体“ヴィジャー”のデザインを担当。さらに、同時期に発刊された個人画集「センチネル」に描かれた高速道路“Express Highway”が映画監督リドリー・スコットの目に止まると、今度は映画『ブレードランナー』にカーデザイナーとして起用されることになる。この作品でシドは監督に気に入られ、最終的には映画の世界観全般を手掛けた。
その後も、シドは『2010年』や『エイリアン2』など、数々の映画でフューチャリストデザイナーを担当。後のSF作品に登場する世界観に多大な影響を与えることになる。99年にはSFアニメ『∀ガンダム』でメカデザインを担当し、日本でも有名になった。