アイドルグループ・ももいろクローバーZ(以下ももクロ)の百田夏菜子は1994年7月12日生まれ。静岡県出身。愛称は“かなこぉ↑↑”。キャッチフレーズは“茶畑のシンデレラ”。
ももクロでは5人のメンバーのセンターを務め、担当するイメージカラーは赤。あまりにも物を知らないところ、漢字が読めないところ、自信満々に間違ったことをいうところから“馬鹿リーダー”とも呼ばれ愛されている。
器械体操をやっていた祖母の遺伝か、産まれた時から体が柔らかく、3歳からは新体操を始める。運動神経も良く、新体操に限らず陸上競技や球技でも頭角を現すが、本人に欲がなかったためスポーツでは大成することはなかった。しかしその身体能力の高さは、百田の代名詞である「えびぞりジャンプ」などももクロでのパフォーマンスに生かされている。
小学校に入ると、新体操に加えダンスも習い始める。周囲にプロを目指している子が多かった影響で、小学5年時にオーディションを受けることに。女優志望だったこともあり、「有名な女優が多く所属している」という理由で現在の所属事務所であるスターダストプロモーションにダメもとで応募したところ、見事合格。芸能活動をスタートする。
スターダストで女優やモデルを目指す10代前半の少女達に、“人前に出る機会をつくろう”とレッスンの一環として結成されたグループがももいろクローバーだった。結成は2008年5月17日。事務所も本格的なアイドルグループを運営した経験がなく、最初は手探り状態だったが、数ヶ月から1年ほどでメンバーも固定され、百田はリーダーを任されるようになる。09年8月にシングル『ももいろパンチ』でインディーズデビュー。10年5月に『行くぜっ!怪盗少女』でメジャーデビューすると、オリコンデイリーチャート1位、ウィークリーチャート3位を獲得した。
11年4月、百田(そしてグループ)にとって大きな転機が訪れる。それは、メンバーの1人である早見あかりの脱退だった。サブリーダーであり、精神的支柱でもあった早見の脱退はメンバー個々の自立と急成長を促したが、百田はとりわけ大きな変化を見せた。目立つのが嫌いで1歩引きがちだった姿はなりをひそめ、トップアイドルグループの押しも押されもせぬリーダーへの階段を登っていくことになる。それは、5人となってグループ名もももいろクローバーZに改名したももクロの快進撃とぴったりと符合するものだった。12年には、路上ライブを行なっていた結成当時からの夢であるNHK紅白歌合戦初出場を実現。同じく目標であった国立競技場でのライブも14年3月に達成した。この国立競技場でのライブは女性グループとしては初。またグループ結成6年での開催は史上初の快挙となっている。8月14日には、千葉・QVC マリンフィールドで開催される米歌手レディー・ガガの来日公演で、前座を務めることも決定した。
ももクロのリーダーである百田は、その言葉でも強烈な印象を多く残す。13年5月に行なわれたロックフェス「Ozzfest Japan 2013」は、開催前から「メタルの祭典にアイドルの出る幕はない」とももクロ出演に逆風が吹き荒れていた。そんな中、ももクロの出番となりステージに上がった百田は、開口一番「見てから決めろ!」と絶叫。“アイドル”というだけで歌う資格がないかのように批判する向きを一喝し、さらに「今、目の前にいる私たちがアイドルだ!」と高らかに宣言した上で圧巻のライブパフォーマンスを見せた。
また、前述の国立競技場ライブでは、「“会場”はゴールじゃない。会場をゴールにしていたら、大きな会場でライブをやったらそれで終わってしまう。私達はみんなを笑顔にするためにやっている。みんなを笑顔を届けることにゴールはないと思うんです」と5万5,000人の観客に向かってメッセージ。続けて「私達は天下を取りに来ました。でもそれはアイドル界の天下でもなく、芸能界の天下でもない。みんなに笑顔を届けるという部分で天下を取りたい」と宣言し、更なる飛躍を約束している。