プラダ(PRADA)の2018年春夏メンズコレクションが6月18日、ミラノで発表された。壁一面に描かれたコミックタッチのイラストに誘導されショーの会場に入ると壁、天井、床まで一面、コミックに覆われた空間。エントランスで出迎えた宇宙服を着たサルの目から発せられたレーザービームの手描きの線画と、疾走感を与えるストライプが象徴的だ。
ランウェイ発表後にオフィシャルサイトで公開されたウィリー・ヴァンデルペール(Willy Vanderperre)が撮影した広告キャンペーン「365」の新たなチャプター『Draft Novel』でもコミックが背景になっており、まるで新しい時代への下書き(Draft)とも取れる。
トップスは大きく袖をロールアップし、カーディガンやブルゾンもすべてタックイン。パンツの裾はプラダのロゴが入ったテープで絞られたり、ロールアップされ、足元のカラーバランスが主役。50’sロカビリースタイルのようなコンビのサドルシューズ、オールドスクールのバスケットシューズ、ベルクロタイプのハイテクスニーカー、ストラップサンダルなど靴とストライプのソックスとシャツのバランスが、全体のコーディネートのキーとなっている。
コミック柄はブルゾン、ベルト、ウエストポーチ、ショルダーバッグ、ジャンプスーツ、シャツなど今シーズンのアイコンとしてさまざまなアイテムで登場し、未来的なサングラスとともに、クラシックなカーディガンやセーターなどと合わせられる。
ショートパンツにハイソックスが新しいミラノメンズのスタイリングとして注目されて数シーズンが経過。トレンドを牽引するプラダが考える新しい男性像は未来的でもあり、懐古的でもある。
コマ割りされたコミックプリントのブルゾンにツィードのヘリンボーンのパンツという次世代から来たテディボーイが、ミレニアムから訪れてきたことは確かだ。
Text: Tatsuya Noda