フェンディ (FENDI)が7月5日、パリのシャンゼリゼ劇場にて、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)とシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)による2017-18年秋冬オートクチュールコレクションを発表した。
花の芽生えから満開になるまでの「別世界からの花たち」が今季のテーマ。始まりは鮮やかな色彩が際立つ象徴主義的な「春」のルック。そして、徐々に禁欲的な別天地の「冬」へと移り変わり、エキゾチックな植生がメゾンのクラフツマンシップと溶け合い、デリケートなファブリックによってロマンティックな変化を奏でていく。
イブニングドレスは、ケープを重ねたり、肩や腰につぼみのような膨らみを持たせ、流れ落ちるようなシルエット。アイリス、デイジー、クロッカス、ポピーなど、本物と見紛うほど繊細で愛らしい花々がインレーで立体的に施されていたり、ラメレースやメタリックジャカードの上にレザーで織り込まれている。ミンクやセーブル、リンクスといったラグジュアリーなファーもまた、可憐な花々へと形を変え、ドレスやコートの夢想的なアクセントとして存在感を放つ。
後期印象派の絵画のようなモチーフも、このドリーミーな世界観をさらに膨らませていく。なかでも、ハンドペイントで風景画を描いたミンクのコートや、無数のピクセル状パーツを職人の手作業によって一つひとつシルクオーガンジーに縫い付けたコクーンポンチョは圧巻だ。終盤に登場したペールピンクや純白のドレスは、無垢なクロシェレースやラッセルレースが身体に沿うようにしなやかなラインを生み、綿毛のようにあしらわれたファーによって、次の季節への旅立ちを予感させた。
魅惑的な花の世界はバッグやシューズにも。フラワーポットをモチーフにしたクラッチバッグは、カラフルなファーの花蕊やレザーの葉があしらわれ、手を覆い隠すほど大ぶりで華やかなデザイン。足元を飾るのは、なめらかなスエードのポインテッドトゥミュール。パープルやブルー、レッド、コーラルなど、さまざまなカラーバリエーションで登場し、シックな色彩を強調するファーやスエードの花々がアッパーに咲き誇っていた。