5月4日(~9月4日)よりニューヨーク、メトロポリタン美術館にてスタートした「川久保玲 / コム デ ギャルソン展 間の技(Rei Kawakubo / Comme des Garcons: Art of the In-Between)」。恒例の祭典、メット・ガラも今回のエキシビションをテーマとし開催、数々のセレブリティがそろい踏み華やかに行われた。エキシビションでは、川久保の「イン・ビトゥイーンネス」(境界線と境界線の間にある空間)における実験を行った結果である140にも及ぶ作品が、9つのテーマごとに分けられ展示されている。
Absence/Presence
このセクションは円形状に設置されたブースで、テーマである「無」を表現している。「禅」がその空間を象徴し、「間」が構造の相互作用を通じて想起される様子を表している。川久保は彼女自身の作品たちについて「Gesamtkunstwerk=総合芸術」と表現しており、その概念は今回の展示に反映されている。
Design/Not Design
川久保の服作りへの直感的なアプローチについて探求したセクション。通常、ひとつの単語や抽象的なイメージからそのプロセスは始まり、それをパターンメーカーに伝えるのだという。禅の「わびさび」の精神が表現されたドレスが立ち並ぶ。
Fashion/Antifashion
1979年、川久保は自身のコレクションに満足がいかなくなったという。より直感的でパワフルなことをするべきだと考え、何もない所から、したことのないことをしようと試みた。Fashion/Antifashionは川久保の1980年代前半のコレクションにフォーカスしたもの。黒を基調としたルーズなフィット感を醸し出し、肌と衣服の間のスペースを作り出している作風が特徴的だ。
Model/Multiple
「Abstract Excellence」コレクションの中で見られたように、川久保は「新しさ」を常に求める一方で、アヴァンギャルドなモダニズムへの関心も見せていた。このModel/Multipleのセクションでは、無形で抽象的で漠然としたものからデザインを始めたという作品たちを楽しめる。
High/Low
「エリート」と「ポップカルチャー」の間にある関係について探求したセクション。「マーゴ・フォンテインに恋をしたハーレーダビッドソン」と表現されたようにハイカルチャーとサブカルチャーを融合させる試みをした「Motorbike Ballerina」コレクションのアンサンブルが並ぶ。
Then/Now
「イン・ビトゥイーンネス」において行われた実験の数々は、常に進み続けるモダニズムを明らかにしていく行為と関連していた。その考え方を探求したのがこのセクションで、川久保はファッションの歴史へインスピレーションを求め入り込んでいった。19世紀の過度ともいえるシルエットを独自に解釈した作風が特徴の作品たちを見ることができる。
Self/Other
文化、性別や年齢の定義の境界線をぼやかす、ハイブリッドな固有性への探求について焦点を当てたセクション。Male/Femaleコレクションではパンツとスカートを1つに組み合わせたものが見られ、このような融合をChild/Adultコレクションを通じ更に掘り下げていった。これは、年齢相応の服装に対する挑戦だけでなく、「カワイイ」のコンセプトを捉えようとしたものであった。
Object/Subject
Body Meets Dress-Dress Meets Bodyコレクションに注目したセクション。人間の体型に対しラディカルな考え方で再考したもので、ナイロンやポリウレタン製のパッドを用いた作風が特徴的だ。パッドはアシンメトリーに配置し、ファッショナブルな体型の定義(細いウエスト、スリムなヒップなど)を覆した。
Clothes/Not Clothes
川久保の「イン・ビトゥイーンネス」における実験の数々はClothes/Not Clothes
によって結論へたどり着いた。2014年、自身のデザイン・プロセスに納得がいかなくなり、その苛立ちが「新しさ」への追求の妨げとなっていることに気付いたという。その結果、「服を作らない」というラディカルな意図で創作を行い、そのアイデアを「身体のための物質」へ具現化し、「ファッションの世界に今まで存在しなかった形」を目指した。(Clothes/Not Clothesは、更に8つのサブセクション: Form/Function、Abstraction/Representation、Beautiful/Grotesque、War/Peace、Life/Loss、Fact/Fiction、Order/Chaos、Bound/Unboundへ細分化されている。)
※本記事は (引用元:" rel="nofollow" target="_blank">http://www.metmuseum.org/)に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
Absence/Presence
このセクションは円形状に設置されたブースで、テーマである「無」を表現している。「禅」がその空間を象徴し、「間」が構造の相互作用を通じて想起される様子を表している。川久保は彼女自身の作品たちについて「Gesamtkunstwerk=総合芸術」と表現しており、その概念は今回の展示に反映されている。
Design/Not Design
川久保の服作りへの直感的なアプローチについて探求したセクション。通常、ひとつの単語や抽象的なイメージからそのプロセスは始まり、それをパターンメーカーに伝えるのだという。禅の「わびさび」の精神が表現されたドレスが立ち並ぶ。
Fashion/Antifashion
1979年、川久保は自身のコレクションに満足がいかなくなったという。より直感的でパワフルなことをするべきだと考え、何もない所から、したことのないことをしようと試みた。Fashion/Antifashionは川久保の1980年代前半のコレクションにフォーカスしたもの。黒を基調としたルーズなフィット感を醸し出し、肌と衣服の間のスペースを作り出している作風が特徴的だ。
Model/Multiple
「Abstract Excellence」コレクションの中で見られたように、川久保は「新しさ」を常に求める一方で、アヴァンギャルドなモダニズムへの関心も見せていた。このModel/Multipleのセクションでは、無形で抽象的で漠然としたものからデザインを始めたという作品たちを楽しめる。
High/Low
「エリート」と「ポップカルチャー」の間にある関係について探求したセクション。「マーゴ・フォンテインに恋をしたハーレーダビッドソン」と表現されたようにハイカルチャーとサブカルチャーを融合させる試みをした「Motorbike Ballerina」コレクションのアンサンブルが並ぶ。
Then/Now
「イン・ビトゥイーンネス」において行われた実験の数々は、常に進み続けるモダニズムを明らかにしていく行為と関連していた。その考え方を探求したのがこのセクションで、川久保はファッションの歴史へインスピレーションを求め入り込んでいった。19世紀の過度ともいえるシルエットを独自に解釈した作風が特徴の作品たちを見ることができる。
Self/Other
文化、性別や年齢の定義の境界線をぼやかす、ハイブリッドな固有性への探求について焦点を当てたセクション。Male/Femaleコレクションではパンツとスカートを1つに組み合わせたものが見られ、このような融合をChild/Adultコレクションを通じ更に掘り下げていった。これは、年齢相応の服装に対する挑戦だけでなく、「カワイイ」のコンセプトを捉えようとしたものであった。
Object/Subject
Body Meets Dress-Dress Meets Bodyコレクションに注目したセクション。人間の体型に対しラディカルな考え方で再考したもので、ナイロンやポリウレタン製のパッドを用いた作風が特徴的だ。パッドはアシンメトリーに配置し、ファッショナブルな体型の定義(細いウエスト、スリムなヒップなど)を覆した。
Clothes/Not Clothes
川久保の「イン・ビトゥイーンネス」における実験の数々はClothes/Not Clothes
によって結論へたどり着いた。2014年、自身のデザイン・プロセスに納得がいかなくなり、その苛立ちが「新しさ」への追求の妨げとなっていることに気付いたという。その結果、「服を作らない」というラディカルな意図で創作を行い、そのアイデアを「身体のための物質」へ具現化し、「ファッションの世界に今まで存在しなかった形」を目指した。(Clothes/Not Clothesは、更に8つのサブセクション: Form/Function、Abstraction/Representation、Beautiful/Grotesque、War/Peace、Life/Loss、Fact/Fiction、Order/Chaos、Bound/Unboundへ細分化されている。)
※本記事は (引用元:" rel="nofollow" target="_blank">http://www.metmuseum.org/)に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。