伊勢丹新宿店1階ハンドバッグ売り場では定番もののシェアがずっと高いという。村松克真バイヤーは「色に変化があっても型は同じものが売れる。セリーヌやイヴ・サンローランのようなハイブランドでもベストセラーの型はずっと同じ」と語る。
同財布売り場では、アナ・スイやトリー・バーチなども人気だが、ゲンテンのようなナチュラル、スタンダードなブランドも消化率が高かった。この傾向から鑑み、定番性を志向するお客さんをターゲットに三越伊勢丹オリジナルの皮革雑貨ブランド「アプド」が今年3月に財布から始まった。素材、縫製共に日本製にこだわっている
売り場のリーダーとアシスタントバイヤーという消費者に最も近いチームが企画しているこのブランドは、今シーズンからバッグも展開。11月28日の売り場拡張に合わせて販売され、広告に載ったハンドバッグは10個以上のストックが初日に完売した。「ハイブランドもそろえ、百貨店らしい良質でベーシック、機能的なものもそろえないと、今のお客さんのニーズに応えられない」と秋吉朋子バイヤー。
この傾向は洋服でも同様だ。リモデル前の3階リ・スタイルの売れ筋は、ドメスティックでは「ヨーコ・チャン」「ルル・ロジェッタ」「ミナ・ペルホネン」、インポートでは「カルヴェン」「アクネ」「ケンゾー」。「長く使えて、今クローゼットに無いものが売れる」と中北晋史バイヤーは語る。
バッグにしろ洋服にしろ、機能的で普段使いできるデザインが特徴。いずれも値は張るが、購買心理には関係ないようだ。