9月18日、アーデム(ERDEM)が2018年春夏コレクションを発表した。若手デザイナーにチャンスの多いロンドンで、着実に力をつけている今年で12年目を迎える中堅デザイナーのアーデム・モラリオグル(Erdem Moralıoğlu)。トルコ人の父とイギリス人の母のもと、カナダ・モントリオールで生まれた彼は、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートでデザインを学んだ。ダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane Von Furstenberg)で一年経験を積んだ後、2005年にブランドを設立。フラワーや植物をモチーフとしたプリントと、シャープで美しいシルエットのドレスが特徴的。H&Mの今年のコラボレーション・ブランドとして選ばれ、秋(11月)から発売となるコレクションの全貌にも注目が集まっている。
今季は、若かりし頃のエリザベス2世の姿から着想を得て、敬意を称したコレクションだと語った。ファーストルックに飛び込んできたのは、ブロケードのフラワー刺繍を施したロングコート。前見頃は体のラインに沿うスリムフィットだが、後見頃はボリュームを与えて歩くたびに裾が大きく揺れ動く、特異なシルエットを描いた。Aラインドレス、チューリップドレス、マーメイドドレスなど美しい曲線が際立つ。ユリやカーネーションといったフワラー柄は、ビーズやパールで輝きを与え、ドレスやジャケットの上で咲き誇っていた。
英国を象徴する女王の名も汚さぬ、詩的で崇高なコレクション。今後ロイヤルファミリーがアーデムの洋服を着用する機会が訪れるのか、密かに楽しみにしていようと思う。