宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、パリ8区にあるグラン・パレのホールを会場に2018年春夏コレクションショーを開催した。「A Piece of Memory - 記憶のカケラ-」と題したコレクションは、アイスランドを旅した時に目撃した荒々しい大地の割れ目、苔に覆われた溶岩、透き通った氷河をイメージしている。
冒頭ではプリントを施した「スチームストレッチ」のドレスをまとったダンサーたちが登場し、身体に合わせて伸び縮みする素材の特性を披露。時おり、折り目の陰からプリントされていないベース生地の色が露わになり、独特の風合いを見せる。
特殊な糊をプリントして高温で膨らませる「ベイクドストレッチ」は、今シーズンはゆがみを付けたプリーツの間からアイスランドの風景が現れるという趣向。収縮した部分が立体的かつグラフィカルに映り、こちらも新鮮な印象を残した。
異なる素材同士を格子状に貼り合わせた「CUBE」は、独特の張りと動きを見せ、フューチャリスティックなイメージ。奄美大島の伝統技術「泥染」によって染めた茶色の糸を織り込んだチェック柄のファブリックも登場し、他の素材とは異なり、より自然を感じさせる仕上がりを見せていた。