新任のクリエイティブ・ディレクター、ナターシャ・ラムゼイ=レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)によるクロエ(Chloé)は、クロエ本社に併設され、今年7月にオープンしたばかりのギャラリー・スペースで2018年春夏コレクションショーを開催した。
ナターシャ・ラムゼイ=レヴィは、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)が指揮するバレンシアガ(BALENCIAGA)とルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)でキャリアを積み、今年4月にクロエのクリエイティブ・ディレクターに着任。フランス人がクリエイティブ・ディレクターに就任するのは、マルティーヌ・シットボン(Martine Sitbon)以来、実に29年振りとなる。
今シーズンは、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)など歴代のデザイナーによるアーカイヴを紐解きつつ、女性の身体の一部をモチーフにして女性の生命力を服として表現。クロエのコードでもある、創立者ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)によるアーシーな色使いをしっかり守りながら、ヴィクトリアンスタイルなど、様々なインスピレーション源をミックスして独自の世界観を作り上げている。
イングリッシュレースにはリングを装飾として配し、繊細な中にエッジーで強い女性像を描いている。ライダースや60年代風の大きな襟のコートなど、クロエらしいマスキュリン・フェミニンなアイテムも健在。今回特に目を引いたのが、眼や手、植物といったモチーフのプリント。どことなくスピリチュアルな雰囲気を醸し出し、ラムゼイ=レヴィの個性が強く現れていた。また乗馬からインスパイアされた馬の刺繍のセットアップなども特徴的で、今シーズンを代表するアイコニックなアイテムとなりそうだ。