プロダクトデザイナーの柳宗理(やなぎ・そうり)は1915年6月29日生まれ、東京都出身。2011年に96歳で死去。
思想家・哲学者の柳宗悦と、アルト歌手・兼子の長男として生まれる。1934年東京美術学校洋画科に入学。在学中にデザインに関心を持ったという。40年同学科卒業。太平洋戦争後デザインの研究を始めた。
1952年に、毎日新聞社主催の第1回工業デザインコンクール(現毎日デザイン賞)に出品した「レコードプレーヤー」が第一席を受賞。これがきっかけで、財団法人柳工業デザイン研究会を設立。
1957年、第11回ミラノ・トリエンナーレに招待され、出品した「バタフライ・スツール」と「白磁土瓶」が金賞を受賞。国際的に活動を続け、77年に日本民芸館館長に就任。80年にはミラノ近代美術館にて、ミラノ市主催で初の個展を開催した。84年に金沢美術工芸大学工業デザイン科主任教授に就任。
1983年に紫綬褒章を受章、2002年には文化功労者に選ばれるなど、日本を代表するプロダクトデザイナーとして生涯活躍。その作品は現在、ニューヨーク近代美術館やルーブル美術館などにも所蔵されている。家具に加え、キッチンウエアやテーブルウエアなども人気で、百貨店やインテリアショップで扱われている。