国内で初となる本格的な「デンマークのデザイン」展「日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン」が、新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて、11月23日から12月27日まで開催される。
本展はデンマーク・デザイン博物館のキュレーションで実現する、日本で初めてのデンマーク・デザインに特化した展覧会。ロイヤル コペンハーゲンから、ミッド・センチュリーの巨匠たちの名品、伝統を引き継ぎ展開する現代まで、家具・食器の他、家電、自転車、玩具レゴなど多彩な展示作品のほとんどが日本初公開。また、見るだけでなく巨匠の椅子に座れるコーナーも設置され、展示室にはハンス・ヴィーイナのウェグナーがデザインした数種類の椅子に座ることができる。見るだけでなく座り心地が体感できる上、このコーナーでは写真撮影も可能。
第1章では、国際的評価を得た最初のデンマーク・デザインとして、20世紀以前のデンマークの工芸で世界的に有名な、1775年に設立された王立磁器製作所が生み出したロングセラー、ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)の「ブルーフルーテッド」を軸に、アーノル・クローウ(Arnold Krog 1856-1931)によるサーヴィス類、1853年に設立され王立磁器製作所に比肩する優れた陶磁器のメーカーとして国際的評価を得たビング オー グレンダール(Bing&Grondahl)の磁器デザインを紹介する。
第2章では、古典主義から機能主義への変遷として、王立美術アカデミー建築学科家具専攻科の初代教授コーオ・クリント(Kaare Klint 1888-1954)をはじめ、彼の弟子を含むデザイナーたちのデザインを展示。デンマークのデザインと美術工芸を特徴づけるシンプルさと晴朗さは、古代ギリシャ的なものを理想とする古典主義から生まれた。その伝統を切り捨てず、発展の土台とすることを出発点に、物、人、空間に調和する実用的な機能性を重視した家具製作という彼らの取り組みを紹介する。
第3章は、1950年〜70年代に人々の注目を集めた、ハンス・ヴィーイナ(Hans Wegner 1914-2007)やフィン・ユール(FinnJuhl 1912-89)、アーネ・ヤコプスン(Arne Jacobsen1902-71)を中心に、デンマーク・デザインの黄金期に活躍した多彩なデザイナーたちによる製品を紹介。コーオ・クリントと彼にもっとも近い弟子たちの幾何学的、古典的な形態とは一線を画する彼らの有機的な形態、「オーガニック・モダニズム」は、機能性を犠牲にすることなく、デザインに遊び心と人間的な温かみを与えることができることを世界に示した。
第4章はポストモダニズムと現代のデンマーク・デザインとして、伝統を引き継ぎながら生み出されていく表現力に富むデザインや、リサイクル素材によって環境に配慮する新しいスタイルなど、現代に展開するデンマーク・デザインの世界を紹介。1970年代はじめ頃、デンマーク・デザインへの国内外の関心が衰退する中、1920年代に基礎が築かれたデンマークの機能的、モダニズム的伝統を継続したデザイナーたち。彼らにとって、良質な日用品が重要なテーマとなり、1970年代にデンマーク・デザインは、工業デザインの分野で非常に強力なブランドとなった。製品の多くはシンプルで使い勝手が良いため、名作デザインとして長年にわたって人々から愛されている。
なお、前売券は12月26日まで、チケットぴあ、ローソン、セブンイレブン、イープラス、チケットポートにて販売中。
【展覧会情報】
日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン
会期:11月23日〜12月27日
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
時間:10:00~18:00(金曜日は19:00)※入館は閉館30分前まで
料金:一般1,200円 大学・高校生800円 65歳以上1,000円 中学生以下無料
休館日:月曜日(ただし12月25日は開館)
日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン
会期:11月23日〜12月27日
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
時間:10:00~18:00(金曜日は19:00)※入館は閉館30分前まで
料金:一般1,200円 大学・高校生800円 65歳以上1,000円 中学生以下無料
休館日:月曜日(ただし12月25日は開館)