アンドレアス・メルボスタッド(Andreas Melbostad)によるディーゼル ブラック ゴールド(DIESEL BLACK GOLD)の2018-19年秋冬コレクションが1月13日、ミラノファッションウィークメンズ初日に発表された。今シーズンの「世界をめぐる旅。発見を探し求める大航海。新しい部族との出会い」というテーマは明快。ショーのBGM には『もののけ姫』が使われ、デザイナー、アンドレアス メルボスタッドのグローバルなミックスセンスが際立った印象を受ける。
前回からウィメンズのフルコレクションが同時に発表されるようになり、今回もファーストルックはウィメンズからスタートした。
東欧や南米の民族衣装を思わせるスモックドレスにはトライバルモチーフが刺繍やブロケードで描かれ、白のペザントドレスには膝下までのロングワラビーブーツがロックなテイストにアレンジされ、エスニックとヒッピー・ロックテイストがミックスされている。モデルのヘアは編み込まれ、フェイスペインティングが施され、ネイチャー感溢れるオープニング。
メンズモデルはカフタン調のロングシャツに黒のムートンブルゾン、デニムの足元はフリンジ付きのモカシンブーツ。アジアンモデルは侍風に月代(さかやき)を剃ったヘアスタイルにフェアアイルモチーフのニットパーカー×レザーブルゾンに60年代風の編み込まれたレザーパンツ。レザージャケットにもトライブパターンのインディアンストーンのマルチスタッズが施されている。
男女交互にランウェイは進行するがウィメンズのルックが充実。チュニック丈のスウェード、デニム、レザーのトップスには、アフガンモチーフのパターンがミックスされ、裾がフレアにスリットの入ったパンツが合わせられ、パンツにはアラブモチーフが刺繍され、それぞれのルックが地球を駆け巡る。
旅がテーマのコレクションは多いが、DBGのシグニチャーであるデニムとレザーをベースにしたコンテンポラリーなワードローブを、“ニュートライブ”というキーワードで、ウィメンズのアイテムに分かりやすく展開したプレゼンテーションがショーを盛り上げていく。
マルチカラーのナバホ柄カーペットパターンのライダースジャケットやスポーツジャケット、ナイロンのキルティングとムートンをミリタリー風に仕上げたエスキモージャケット、ネイティブインディアンのストーンのスタッズで装飾されたレザーシャツやスキニーパンツ、ナバホブランケットのライニングの付いたジャケットなど、SNS時代に分かりやすいアイテムが次々に登場する。
ダイアゴナルのイカット織りのプルオーバー、スクエアモチーフのペルーのバハ・フーディー、ベトナム・モン族のクロスステッチ・スカートなどデニムと相性の良いアイテムとモチーフに溢れた、アンプラグドなコレクションとなった。
Text: Tatsuya Noda