高橋悠介によるイッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)は、19世紀中頃に建立された劇場、ゲーテ・リリックを会場に2018-19年秋冬コレクションショーを開催した。コレクションテーマは「In the Whirlwind of Urban Life ―都市生活の渦の中で―」。都市生活者へ向けた服作りは続き、生活のリズムや速度、変化といった感覚的なものから、壁面のペイントといった視覚的なものまで、都市生活で得られる感覚を服に投影。色彩と素材を重ねるレイヤードのテクニックを用いながら、機能的で新しい仕事着を提案している。
ポリエステル伸縮糸を用いたオリジナルのテープをあしらったジャケットやパンツは、耐久性や伸縮性に優れたテープの特性を生かしたシルエットを描き、スポーティーで洗練された印象。アイロンの必要が無く旅行向きでもある。
リバーシブルのシリーズでは、コットンベース地と起毛加工を施したブラックのウールベース地の二重織りのストライプ素材のジャケットやコートが登場。異素材を表裏に重ねるのではなく、1枚の布でリバーシブルに仕上げているのが特徴。片面のみをブラックに捺染し、梳毛ウールを縫製後に製品染めしたグリーンのコートは、素材から発せられるニュアンスの美しさを見せた。
正方形の布を上から落としてモチーフを作るという作業によって生まれたプリントや、ランダムに折り畳みプレスすることで生まれるストライプ状の柄を光沢とマットのポリエステル糸を用いてカットジャカードで表現したジャケットやパンツなど、今シーズン登場したモチーフは偶発的に生まれたものばかり。
モチーフや素材を遊びの要素としながらも、シンプルなシルエットで日常生活に彩りを与える、正に都市生活者へ向けたコレクションとなっていた。