ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)の2018-19秋冬メンズコレクションが1月15日ミラノで発表された。グレイッシュでアーシーなトーンにまとめられ、モデルの動きで美しく生まれる表面の変化の輝きが、そのテキスタイルのやわらかさを物語る。アルマーニの進化する素材の研究は今シーズン、派手な光沢ではなく乳白色とも呼べるような、光の変化を楽しむ大人のアイテムで構成された。
ウォッシュ加工された光沢のあるコーデュロイのスーツは、柔らかなテクスチャーがアルマーニならではとも呼べるリラックスした時間を生み出す。ゆったりしたパンツとともに高めの位置にシェイプされた6釦4つ掛けのジャケットで、パッチワークのレザーのショルダーバッグとともに、それだけでラグジュアリーなシーンを生み出す。
ベロアやコーデュロイ、さらにハリ感のあるウーステッドやシルクなど光沢のある素材をボトムスに、カシミアやベビーアルパカ、ウールなど柔らかな表面変化のある格子柄、バーズアイ、ソフトツイードといったアルマーニのアーカイブを思わせる素材をトップスに合わせるスタイルは、今シーズンの特徴的なコーディネートだ。さらにインナーのシャツ、ニット、ベストをそれぞれ対照的なテクスチャーや光沢のある素材で変化を付け、釦を締める位置でバランスを生みだす。
シングル、ダブル共に高めのチェスト位置にシェイプしたシルエットは、今シーズン8釦6掛けのジャケットやスーツに代表される。ゆったりした渡りからアンクルに向けてテーパードするパンツはブーツとの相性が考えられている。
上質なレザーやムートン、シープスキンなどに置き換えられたミリタリーのフライトジャケットは若い新しいファンには新鮮に映り、80年代、90年代からのアルマーニファンにはドキッとする胸熱アイテムだろう。
Text: Tatsuya Noda