マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン(MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN)の2018-19年秋冬コレクションは、数シーズン振りに同ブランドらしいストリート感溢れるコレクションとなった。
ミラノファッションウィークにラグジュアリーストリートの流れを巻き起こした張本人でもあるマルセロだが、この数シーズンはモードの舞台を意識したせいか、落ち着いたコレクションを展開してきた印象が強かった。前回はランウェイにHIPHOP系シンガーのライブを取り入れるなどシーンの広がりを分かりやすく翻訳させたが、今シーズンはピッティ・ウオモでのデビューシーズンを思い出せるエクストリームスポーツで幕を開けた。
BMXの技が象徴する過激さや危険さは、レーシングパンツやボンバージャケットのディテールにつながっていく。赤×黒のバッファローチェックやゴシックフォント、グラフィカルに配置されたロゴやタロットカードと、ストリートのアイコンの配置は絶妙。
パーカやスウェットに用いられているイタリアの映画監督、ダリオ・アルジェント(Dario Argent)のホラー映画のモチーフも、ラップクルー、ギャングスタといった同ブランドの強烈なキャストとカップリングさせなくても、十分に魅力的だ。
アメリカのメジャーリーグの MLB、アメリカのプロバスケットボールリーグのNBAとともに、今回のコラボレーションされたティンバーランド(Timberland)のブーツには、インダストリアルタグが付けられ、シーンの立役者である本領が随所に見られた。
Text: Tatsuya Noda