若い頃、フィールドジャケットを買うためにバイトを始めたというくらいファッションヴィクティムなコロッケ氏。デビュー以来スタイリストも着けず、現在に至るまでさまざまなファッションを経験してきた。ショップやブランドは自身で探し、自らショップで購入しているという。今回、自身のブランドとしてデビューするミミック展示会場で話を聞いた。
「東京に出てきた頃はハリウッドランチマーケットに通っていた。あの頃の代官山はまだ何もなかった時代。それから10年くらいしてネペンテスが好きになったり。その頃モンクレールも好きだった。モンクレールは一時期ボタンがマットな質感になったことがあって、その頃が一番好み。ミミックを一緒にやっている柿沼さんとはそういう話で盛り上がれる。『あの頃この店はあそこにあったね』『このアイテムはあのお店で買った』などとマニアックな話ができるのがとても楽しい」とファッションについて、嬉々として語る。
会場にはロエン(Roen)のデザイナー高原啓氏も来場。「ロエンは中目黒にあった頃に発見し、こだわりが凄い!と感じた。スワロフスキー使いも他ブランドより早く採用していて、品の良いロックという印象」と、ファッションエディターさながら。
「最近のお気に入りはリック・オウエンスやトーマス・ワイルド。自分のサイズがなかったりするんだけど(笑)。だから小物とか買ったりしている。ずっと買い続けているのはクロムハーツ。かれこれ25年くらいになる。ユナイテッドアローズで取り扱われる前に、大阪のアメリカ村で買ったこともある。総じて好みは大人のロック系かな」
展示会場には、コロッケ氏のクロムハーツコレクションをディスプレイした部屋を用意。ジュエリーから革小物、ジャケット、世界に一つしかない手錠など計1億円相当のコレクションが並べられた。「自分の世界観を知ってもらうためにクロムハーツのコレクションを展示している。そうじゃないとミミックのテイストを理解してもらえないし。今では廃盤となった茶色のレザーウエスタンシャツなんかもある。これは裏地がちゃんと付いててね。そういう細かいところも見ちゃうんだよね」
お店でもアイテムをひっくり返して裏をチェックするというコロッケ氏。そのこだわりは自身のブランドにも息づいている。「スタッズを付けるにしても、大きさや数、配置なども考えている。色を染めたり、剥げ落ちる加工をしたりと、細部にまでこだわった。一つひとつに意味が無いとイヤなんだよね。ものまねと同じ。何でその芸をするのか。『ただ好きだから』は一番雑な理由。その中にこだわりがないと。『好きだから』だけでは誰でもできる」と、自身のものまね哲学とファッションを比較して続ける
「洋服はエンターテインメント。『それどこの?いいね』とか会話が生まれるのがファッションの一番大事なポイントだと思う。ものまねでも、自分の芸を見てくれた方々の中で『ああ見た見た、あれ面白かったね』などと会話が生まれて、笑顔になってもらいたい。それと一緒のこと。ミミックに接したお客さんにはうきうきしてもらい、会話を増やしてもらえればうれしい」と、終始無邪気に語り、心底洋服が好きな一面があふれ出ていた。