ジャーナリストELIE INOUEによるのデンマーク・コペンハーゲンの街レポート。最終回となる3日(旅の最終日)はデンマークのアートへ存分に浸ります。
最終日はデンマークのアートに存分に浸ることに。アート好きなら欠かせないのが、「ルイジアナ近代美術館(Louisiana Modern Museum)」です。中心地から電車で40分ほど、海と緑の眺めが楽しめる場所に位置します。自然と建築が調和したその姿から、“世界一美しい美術館”とも言われています。樹齢100年以上の木々が生えている公園の中に、地形に沿うように一つひとつ丁寧に時間をかけながら、1958年から5回もの増築が行われながら現在の形に至ったそう。寒くて空気が澄んでいたこともあって、何度も深呼吸して体も心も浄化できたような気分に。それほど、なんだか神聖で心が洗われる場所だったのです。撮影不可でしたが、現在の展示内容はピカソの陶器作品でした。中心地から離れていても、わざわざ行くべき美術館です。
中心地から離れていますが、わざわざでも行くべき美術館です。なぜなら、同美術館の“自然との調和”というコンセプトや、あくせくせずのんびりとした空気感はデンマークという国のメンタリティーをとても表しているから。「ヒュッゲ(心地のいい空間・ささやかな幸せ)」という言葉にも込められているように、内向きに質素な生活を好むのがデンマークの人々。豪華な建物や派手な装飾はなくても、研ぎ澄まされた感性で洗練された美しさを生み出す能力があるのだと、同美術館が証明しているかのよう。
街も街中で見かける人々も、他のヨーロッパ諸国と比べるととてもシンプルで、高級ブランドを身に付けた人や、高級車を見かけることはほぼなく、ショップも家具や雑貨などライフスタイル系の方が圧倒的に多かった印象です。実際、デンマーク人も高級品への憧れやお金稼ぎの欲がないわけではないけれど、たとえ稼いだとしても税金でゴッソリ引かれてしまうし、福祉が充実していて経済的に平等だと、必死に働く必要がないという考え方に至るのだと、スカンジナビアについて書かれた書物で読みました。日本やフランスとは対象的な考え方や独特の美意識を持っている点など、さまざまなデンマーク文化に触れられる美術館を後にして、中心地へと戻りました。
最終日のディナーは、落ち着いた大人の雰囲気漂うワインバー「デン・バンドレット(Den Vandrette)」へ。日本の居酒屋さんような存在で、世界各国のワインとお酒に合う小皿料理がメニューに並びます。お店の方によると、小皿をシェアしながら食べるという食べ方はデンマークでは普通しないそうで、最近徐々に受け入れられ注目され始めているのだとか。保守的で新しいものに対して警戒心を示すのがデンマーク人だが、時代は変わり柔軟な考え方を持つようになっているとも教えてくれました。
彼の言うように根本的な考え方は保守的なのかもしれませんが、旅行者として訪れる分には、人々はとても親切で街中整備されていて、とても寛大で過ごしやすいと感じられました。環境保護の観点から自転車優遇法や石炭火力発電ゼロなどが国民投票で決まっていますし、経済成長施策として2030年までに現金廃止も宣言していて、世界で率先して新たな戦略に取り組んでいる国といった印象。進化し続けるデンマーク、実際に足を運んで肌で感じてみてくださいね。あなただけの発見がきっとあるはず!
Day3
最終日はデンマークのアートに存分に浸ることに。アート好きなら欠かせないのが、「ルイジアナ近代美術館(Louisiana Modern Museum)」です。中心地から電車で40分ほど、海と緑の眺めが楽しめる場所に位置します。自然と建築が調和したその姿から、“世界一美しい美術館”とも言われています。樹齢100年以上の木々が生えている公園の中に、地形に沿うように一つひとつ丁寧に時間をかけながら、1958年から5回もの増築が行われながら現在の形に至ったそう。寒くて空気が澄んでいたこともあって、何度も深呼吸して体も心も浄化できたような気分に。それほど、なんだか神聖で心が洗われる場所だったのです。撮影不可でしたが、現在の展示内容はピカソの陶器作品でした。中心地から離れていても、わざわざ行くべき美術館です。【Louisiana Modern Museum】
住所:Gl Strandvej 13, 3050 Humlebæk
http://www.louisiana.dk/
住所:Gl Strandvej 13, 3050 Humlebæk
http://www.louisiana.dk/
中心地から離れていますが、わざわざでも行くべき美術館です。なぜなら、同美術館の“自然との調和”というコンセプトや、あくせくせずのんびりとした空気感はデンマークという国のメンタリティーをとても表しているから。「ヒュッゲ(心地のいい空間・ささやかな幸せ)」という言葉にも込められているように、内向きに質素な生活を好むのがデンマークの人々。豪華な建物や派手な装飾はなくても、研ぎ澄まされた感性で洗練された美しさを生み出す能力があるのだと、同美術館が証明しているかのよう。
街も街中で見かける人々も、他のヨーロッパ諸国と比べるととてもシンプルで、高級ブランドを身に付けた人や、高級車を見かけることはほぼなく、ショップも家具や雑貨などライフスタイル系の方が圧倒的に多かった印象です。実際、デンマーク人も高級品への憧れやお金稼ぎの欲がないわけではないけれど、たとえ稼いだとしても税金でゴッソリ引かれてしまうし、福祉が充実していて経済的に平等だと、必死に働く必要がないという考え方に至るのだと、スカンジナビアについて書かれた書物で読みました。日本やフランスとは対象的な考え方や独特の美意識を持っている点など、さまざまなデンマーク文化に触れられる美術館を後にして、中心地へと戻りました。
最終日のディナーは、落ち着いた大人の雰囲気漂うワインバー「デン・バンドレット(Den Vandrette)」へ。日本の居酒屋さんような存在で、世界各国のワインとお酒に合う小皿料理がメニューに並びます。お店の方によると、小皿をシェアしながら食べるという食べ方はデンマークでは普通しないそうで、最近徐々に受け入れられ注目され始めているのだとか。保守的で新しいものに対して警戒心を示すのがデンマーク人だが、時代は変わり柔軟な考え方を持つようになっているとも教えてくれました。
彼の言うように根本的な考え方は保守的なのかもしれませんが、旅行者として訪れる分には、人々はとても親切で街中整備されていて、とても寛大で過ごしやすいと感じられました。環境保護の観点から自転車優遇法や石炭火力発電ゼロなどが国民投票で決まっていますし、経済成長施策として2030年までに現金廃止も宣言していて、世界で率先して新たな戦略に取り組んでいる国といった印象。進化し続けるデンマーク、実際に足を運んで肌で感じてみてくださいね。あなただけの発見がきっとあるはず!