オーストリア・シドニーにあるコンテンポラリー・アートを中心に取り扱うアート・センター、キャリッジワークス(Carriageworks)で新たなインスタレーションが公開中だ。
今回開催されることになったインスタレーションはドイツのアーティスト、キャサリナ・グロッス(Katharina Grosse)が手掛けたもの。ドイツ生まれでありベルリンで活動をする彼女は、万華鏡のような色使いと壮大なスケールで作品を作り上げることでよく知られるアーティストだ。ペインティングの境界線をはみ出すことで空間を変身させ、訪問者を観覧者と参加者の両方にしてしまう作風には定評がある。
今回公開される作品、「The Horse Trotted Another Couple of Metres, Then it Stopped」は8,250平方メートル(約2,500坪)に及ぶ布にペインティングを施しキャリッジワークス内全体を覆った大掛かりなもの。布をスプレーガンで彩色し縛ったりドレープさせたりすることで立体的に見せ、訪れた人々を作者の世界へ引き込むことに見事に成功している。グロッスにとってペインティングは没入できる主観性の中にある体験であるといい、彼女の作品にはそれがよく表れている。今回のインスタレーションでは布を折り畳んだり覆い被せたりすることで広大な敷地の空間を圧縮させるというアイデアがとても興味深かったという。
作品は、3週間もの間シドニーの町全体で行われるアート・カルチャーのお祭り「シドニー・フェスティバル」の一環として制作された。1997年より行われているフェスバルである本イベントはこれまでにビョーク(Bjork)を始め、世界的に活躍するアーティストたちを招いてきた。グロッスのインスタレーションは1月6日から4月8日まで公開される予定で、入場無料となっている。
※本記事は (引用元: http://articulatepr.com.au/、http://carriageworks.com.au/、http://www.katharinagrosse.com/)に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
(Katharina Grosse, The Horse Trotted Another Couple of Metres, Then it Stopped, 2017, acrylic on fabric, installation view, commissioned by Carriageworks, Sydney. Image courtesy the artist and Gagosian © Katharina Grosse and VG Bild-Kunst, Bonn 2017, photograph: Zan Wimberley)