ミルチャ・カントルの日本初個展が銀座メゾンエルメス フォーラムで開催、東京で撮影された新作も発表

開催日:2018.04.25-07.22
2018.03.25
Give more sky to the flags / 2016 / Corten steel, stones / 200 x 450 x 210 cm / Courtesy of the artist and VNH Gallery, Fondation Francès, Dvir Gallery
銀座メゾンエルメス フォーラムで4月25日から7月22日まで、パリを拠点に活動するアーティスト、ミルチャ・カントル(Mircea Cantor)の日初となる個展「あなたの存在に対する形容詞」が開催される。

ミルチャ・カントルは、1977年ルーマニア生まれ。独特の的な表現方法を用いて、日常の世界の複雑さや不確かさを控えめな身振りで気付かせる写真彫刻、映像、インスタレーションなどを制作している。アルバニアの首都ティラナで、人々がスローガンの代わりに大きな鏡を掲げて練り歩く様子を映像に収めた『The landscape is changing』(2003年)や、1対の鹿と狼を真っ白な空間に放ち、自然から隔絶された獣たちの危うい緊張関係を観察した映像作品『Deeparture』(2005年)などで国際的な注目を集めるようになった。

日本での初個展となる本展では、銀座メゾンエルメスガラスブロックの“透明性”に着想を得た新作を発表。前出の『The landscape is changing』に連なる映像作品として、人々が透明なプラカードを持って行進する様子を、東京のさまざまなロケーションで捉えたものだという。また、数十本ものアルミニウムの鐘とガラスの屏風を組み合わせたインスタレーションも公開。響き合う鐘の音や静寂が、一陣の風のように、目には見えない記憶や感情を呼び起こし、私たちの内に透明な波動を生み出すような作品に仕上がっている。

The landscape is changing / 2003 / 22’00” / Color film with sound / Courtesy of the artist and Magazzino, Rome

ミルチャ・カントルはこれらの作品を通じて、規則や慣習、権力など、“透明なもの”の力によって無意識に縛られている「あなた」の存在を形容する言葉について、シンプルな問いを投げかけていく。彼が紡ぎ出す詩的な世界を会場で体感してみては。


【展覧会情報】
「あなたの存在に対する形容詞」 ミルチャ・カントル展
Adjective to your presence by Mircea Cantor

会期:4月25日〜7月22日
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8F
時間:月~土曜日 11:00〜20:00(最終入場19:30)、日曜日 11:00~19:00(最終入場18:30)
入場無料
不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
Akiko Hanazawa
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