グッチやサンローラン、プーマを傘下に持つ仏・流通大手PPRが18日のケリング(Kering)への社名変更を控え事業説明会を開催した。同社のジャン・フランソワ・パリュ・マネージングディレクターが来日し、日本市場の現状と展望を語った。
同社日本での12年売上高は前年比7.4%増の11億5840万ユーロ。ラグジュアリー部門は11年比9%増となり、日本は世界3番目の売り上げ規模となるシェア12%となった。
ラグジュアリー部門の基幹ブランドであるグッチ、ボッテガ・ヴェネタ、サンローランは12年好調に推移。それぞれ前年比5.3%、8.9%、46.7%増という結果だった。サンローランはエディ・スリマンへと交代前に高い伸びを示した。グッチは日本が世界売り上げ第一位。グッチショップは順次グローバルコンセプトであるフリーダ・ジャンニーニによるストアデザインへと改装されるという。
パリュ氏は「日本はテストマーケットみたいな国。日本で通用すれば、世界中どこでも満足される。ラグジュアリー分野は昨年までとても低迷していたが、最近復活の傾向を示しており、若い人達の購買が顕著。消費形態も変化が見られる。以前はレザー小物が好まれたが、最近ではハンドバッグや靴、ウエアコレクションなどより高価格帯のものが売れるようになった。ブランド側の誘導もあり、このような変化へとつながったのかもしれない。日本人に合わせたサイズ展開も要因の一つ」と話した。
現在12年に比べ円安が進み、日本人の海外での購買が減っているが、国内での需要増で相殺できるとの見解を示す。また昨年12月に買収した中国のジュエリーブランド「キーリン(QEELIN)」の年内日本一号店出店を目指すという。
同社は他にアレキサンダー・マックイーンやバレンシアガ、ブリオーニ、ステラ・マッカートニー、ヴォルコムなど約20ブランドを傘下に持つ。現在国内で直営店237店舗を運営。