JR東京駅、丸の内駅舎内の東京ステーションギャラリーでは、竹久夢二の展覧会「夢二繚乱」を、5月19日から7月1日まで開催する。
出版・印刷業が集積した全国有数の街として発展してきた、東京ステーションギャラリーのある千代田区。千代田区九段南にある出版社、龍星閣は、高村光太郎の『智恵子抄』の版元として知られているが、戦後、竹久夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した存在でもある。本展は、夢二の著作や画集の出版のために龍星閣の創業者、澤田伊四郎が収集した1200点を超える膨大な夢二コレクションが千代田区に寄贈されたことを記念し、その精華を紹介する。
4章構成の本展、第1章は、「夢二のはじまり」と題し、夢二の原点に迫る。若かりし学生時代、新聞、雑誌に絵や詩を投書して糊口を凌いでいた夢二。転機となったのは、明治38(1905)年6月に『中学世界』夏期増刊「青年傑作集」へ投書したコマ絵「筒井筒」の第一賞入選、そして明治42(1909)年の『夢二画集 春の巻』の刊行だった。
若き日の夢二の姿を紹介すると同時に、初期の作例を通して、どのように画家として歩み始めたのかを探る。
本展では、早稲田実業学校に在学中に制作した肉筆の画文集『揺籃』を初公開。『揺籃』は、明治36(1903)年に制作された、外国文学の翻案や創作、さらに数点の挿絵を含む手書きの冊子。推敲の跡も生々しいこの試作からは、20歳の夢二の豊かな才能と、自分の創作を世に問いたいという強い願望を感じとることができる。
第2章は「 可愛いもの、美しいもの」。大正3(1914)年10月、日本橋呉服町に、夢二が正式に結婚した唯一の女性、岸たまきが主人を務めた「港屋絵草紙店」が開店。港屋は、夢二がデザインした千代紙、便箋や封筒、半襟などを販売するブランドショップであると同時に、恩地孝四郎や田中恭吉ら若い芸術家たちが集い、作品を発表できるギャラリーでもあった。この時期には「夢二式美人」のスタイルが確立されただけでなく、絵葉書、雑誌の表紙や挿絵、本の装幀など、多方面にわたって夢二は活動を展開させていた。自らの個展の開催にも意気込む一方で、鑑賞者や読者、女性や子どもの手に届く美術を提供し続けた夢二の幅広い画業を見ることができる。
第3章は「目で見る音楽」。数多くの楽譜の表紙を描いた夢二。代表的なのは、セノオ音楽出版社より発刊されたセノオ楽譜で、日本や世界各国の楽曲のイメージをさまざまなジャンルの要素を取り入れたデザインで表現した。夢二は自ら作詞を手がけた「宵待草」のほか270点余りの楽譜で、いわばジャケットを任されていた。また、夢二は童謡の楽譜にも積極的に参加。夢二が描いた大正時代の豊かな音楽の世界を紹介する。
第4章は「出帆」。昭和2(1927)年に都新聞で連載された『出帆』は、夢二の半生を綴った自伝小説。挿絵には、彼の愛した女性たちや彼女たちと訪れた風景、あるいは抽象的な心理描写などが水墨で描かれている。『出帆』の連載後に海外へ旅立った夢二は、自ら新聞記事を切り抜いてまとめ、『出帆』の書籍化を友人らに託していた。
自伝的小説『出帆』は、134点の挿絵が付けられ、発表当時大きな話題となった。本展では、この挿絵原画全点を一堂に初公開。この時代の小説で、挿絵原画がすべて残されているのはたいへん珍しい例。夢二円熟期の傑作挿絵を存分に堪能できる。
本展は、過去最大級の500点を超える展示品によって、夢二の多彩な活動をさまざまな角度から紹介する。数多く出版された自身の画集をはじめ、装幀本、楽譜集、子どものための絵、絵葉書や千代紙、半襟のデザイン、そして肉筆画に至るまで、竹久夢二の全貌を感じられる展覧会となっている。
会期中は様々なトークイベントも開催。5月31日、6月14日の15時から行われる担当学芸員による展覧会解説のギャラリートークの他、本展関連記念講演会として千葉市美術館学芸員の西山純子による「ジャーナリズムと竹久夢二」を、5月31日に千代田区立日比谷図書文化館地下1階大ホールにて開催。6月5日には千代田区役所1階区民ホールにて、日比谷図書文化館学芸員の井上海による「出版活動と千代田、龍星閣コレクション」が、6月21日には日比谷図書文化館地下1階大ホールにて、美術史家の岩切信一郎による「装幀・出版からみた竹久夢二」が開催される。関連記念講演会は事前申込制。
なお、前売券をローソンチケット(Lコード=35577)、イープラス、CNプレイガイド、セブンチケットにて、一般700円、高校・大学生500円で5月18日まで販売中。東京ステーションギャラリー窓口では5月6日までの開館日(閉館30分前まで)に限り販売中。
出版・印刷業が集積した全国有数の街として発展してきた、東京ステーションギャラリーのある千代田区。千代田区九段南にある出版社、龍星閣は、高村光太郎の『智恵子抄』の版元として知られているが、戦後、竹久夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した存在でもある。本展は、夢二の著作や画集の出版のために龍星閣の創業者、澤田伊四郎が収集した1200点を超える膨大な夢二コレクションが千代田区に寄贈されたことを記念し、その精華を紹介する。
4章構成の本展、第1章は、「夢二のはじまり」と題し、夢二の原点に迫る。若かりし学生時代、新聞、雑誌に絵や詩を投書して糊口を凌いでいた夢二。転機となったのは、明治38(1905)年6月に『中学世界』夏期増刊「青年傑作集」へ投書したコマ絵「筒井筒」の第一賞入選、そして明治42(1909)年の『夢二画集 春の巻』の刊行だった。
若き日の夢二の姿を紹介すると同時に、初期の作例を通して、どのように画家として歩み始めたのかを探る。
本展では、早稲田実業学校に在学中に制作した肉筆の画文集『揺籃』を初公開。『揺籃』は、明治36(1903)年に制作された、外国文学の翻案や創作、さらに数点の挿絵を含む手書きの冊子。推敲の跡も生々しいこの試作からは、20歳の夢二の豊かな才能と、自分の創作を世に問いたいという強い願望を感じとることができる。
第2章は「 可愛いもの、美しいもの」。大正3(1914)年10月、日本橋呉服町に、夢二が正式に結婚した唯一の女性、岸たまきが主人を務めた「港屋絵草紙店」が開店。港屋は、夢二がデザインした千代紙、便箋や封筒、半襟などを販売するブランドショップであると同時に、恩地孝四郎や田中恭吉ら若い芸術家たちが集い、作品を発表できるギャラリーでもあった。この時期には「夢二式美人」のスタイルが確立されただけでなく、絵葉書、雑誌の表紙や挿絵、本の装幀など、多方面にわたって夢二は活動を展開させていた。自らの個展の開催にも意気込む一方で、鑑賞者や読者、女性や子どもの手に届く美術を提供し続けた夢二の幅広い画業を見ることができる。
第3章は「目で見る音楽」。数多くの楽譜の表紙を描いた夢二。代表的なのは、セノオ音楽出版社より発刊されたセノオ楽譜で、日本や世界各国の楽曲のイメージをさまざまなジャンルの要素を取り入れたデザインで表現した。夢二は自ら作詞を手がけた「宵待草」のほか270点余りの楽譜で、いわばジャケットを任されていた。また、夢二は童謡の楽譜にも積極的に参加。夢二が描いた大正時代の豊かな音楽の世界を紹介する。
第4章は「出帆」。昭和2(1927)年に都新聞で連載された『出帆』は、夢二の半生を綴った自伝小説。挿絵には、彼の愛した女性たちや彼女たちと訪れた風景、あるいは抽象的な心理描写などが水墨で描かれている。『出帆』の連載後に海外へ旅立った夢二は、自ら新聞記事を切り抜いてまとめ、『出帆』の書籍化を友人らに託していた。
自伝的小説『出帆』は、134点の挿絵が付けられ、発表当時大きな話題となった。本展では、この挿絵原画全点を一堂に初公開。この時代の小説で、挿絵原画がすべて残されているのはたいへん珍しい例。夢二円熟期の傑作挿絵を存分に堪能できる。
本展は、過去最大級の500点を超える展示品によって、夢二の多彩な活動をさまざまな角度から紹介する。数多く出版された自身の画集をはじめ、装幀本、楽譜集、子どものための絵、絵葉書や千代紙、半襟のデザイン、そして肉筆画に至るまで、竹久夢二の全貌を感じられる展覧会となっている。
会期中は様々なトークイベントも開催。5月31日、6月14日の15時から行われる担当学芸員による展覧会解説のギャラリートークの他、本展関連記念講演会として千葉市美術館学芸員の西山純子による「ジャーナリズムと竹久夢二」を、5月31日に千代田区立日比谷図書文化館地下1階大ホールにて開催。6月5日には千代田区役所1階区民ホールにて、日比谷図書文化館学芸員の井上海による「出版活動と千代田、龍星閣コレクション」が、6月21日には日比谷図書文化館地下1階大ホールにて、美術史家の岩切信一郎による「装幀・出版からみた竹久夢二」が開催される。関連記念講演会は事前申込制。
なお、前売券をローソンチケット(Lコード=35577)、イープラス、CNプレイガイド、セブンチケットにて、一般700円、高校・大学生500円で5月18日まで販売中。東京ステーションギャラリー窓口では5月6日までの開館日(閉館30分前まで)に限り販売中。
【展覧会情報】
千代田区×東京ステーションギャラリー「夢二繚乱」
会期:5月19日~7月1日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
時間:10:00~18:00、金曜日は20:00まで(入館は閉館の30 分前まで)
料金:一般900円、高校・大学生700円、中学生以下無料
休館日:月曜日(6月25日は除く)
【イベント情報】
ギャラリートーク(担当学芸員による展覧会解説)
会期:5月31日、6月14日
会場:東京ステーションギャラリー
時間:15:00~(約30分)
料金:参加無料(要別途入館料)
3階展示室集合、事前申込不要、混雑時には中止する場合あり
レンガ・タッチ& トーク(煉瓦が特徴的な東京ステーションギャラリーのたてもの解説)
会期:5月24日、6月7日
会場:東京ステーションギャラリー
時間:15:00~(約30分)
料金:参加無料(要別途入館料)
定員:15名
1階エントランス集合、当日1階受付にて申し込み
「夢二繚乱」展関連記念講演会
「ジャーナリズムと竹久夢二」
日時:5月31日
会場:日比谷図書文化館 地下1階大ホール
住所:東京都千代田区日比谷公園1-4
時間:開演 19:00、開場 18:30(約90分)
料金:500円
定員:200名(未就学児不可)
講師:西山純子(千葉市美術館学芸員)
申込締切:5月20日
「出版活動と千代田、龍星閣コレクション」
日時:6月5日
会場:千代田区役所 1階区民ホール
住所:東京都千代田区九段南1-2-1
時間:開演 14:00、開場 13:30(約90分)
料金:500円
定員:100名(未就学児不可)
講師:井上海(千代田区立日比谷図書文化館文化財事務室学芸員)
聞き手:冨田章(東京ステーションギャラリー館長)
申込締切:5月27日
「装幀・出版からみた竹久夢二」
会期:6月21日
会場:日比谷図書文化館 地下1階大ホール
時間:開演 19:00、開場 18:30(約90分)
料金:500円
定員:200名(未就学児不可)
講師:岩切信一郎(美術史家)
申込締切:6月10日
※「夢二繚乱」展関連記念講演会申し込み方法
往復はがきに講座名、氏名・年齢、住所、電話番号を記載し、各講演会の申込締切日までに下記へ郵送(いずれも当日消印有効)
1講座につき1枚、応募者多数の場合は抽選。
〒100-0012 千代田区日比谷公園1-4
千代田区立日比谷図書文化館文化財事務室
Tel. 03-3502-3348 / FAX 03-3502-3361
千代田区×東京ステーションギャラリー「夢二繚乱」
会期:5月19日~7月1日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
時間:10:00~18:00、金曜日は20:00まで(入館は閉館の30 分前まで)
料金:一般900円、高校・大学生700円、中学生以下無料
休館日:月曜日(6月25日は除く)
【イベント情報】
ギャラリートーク(担当学芸員による展覧会解説)
会期:5月31日、6月14日
会場:東京ステーションギャラリー
時間:15:00~(約30分)
料金:参加無料(要別途入館料)
3階展示室集合、事前申込不要、混雑時には中止する場合あり
レンガ・タッチ& トーク(煉瓦が特徴的な東京ステーションギャラリーのたてもの解説)
会期:5月24日、6月7日
会場:東京ステーションギャラリー
時間:15:00~(約30分)
料金:参加無料(要別途入館料)
定員:15名
1階エントランス集合、当日1階受付にて申し込み
「夢二繚乱」展関連記念講演会
「ジャーナリズムと竹久夢二」
日時:5月31日
会場:日比谷図書文化館 地下1階大ホール
住所:東京都千代田区日比谷公園1-4
時間:開演 19:00、開場 18:30(約90分)
料金:500円
定員:200名(未就学児不可)
講師:西山純子(千葉市美術館学芸員)
申込締切:5月20日
「出版活動と千代田、龍星閣コレクション」
日時:6月5日
会場:千代田区役所 1階区民ホール
住所:東京都千代田区九段南1-2-1
時間:開演 14:00、開場 13:30(約90分)
料金:500円
定員:100名(未就学児不可)
講師:井上海(千代田区立日比谷図書文化館文化財事務室学芸員)
聞き手:冨田章(東京ステーションギャラリー館長)
申込締切:5月27日
「装幀・出版からみた竹久夢二」
会期:6月21日
会場:日比谷図書文化館 地下1階大ホール
時間:開演 19:00、開場 18:30(約90分)
料金:500円
定員:200名(未就学児不可)
講師:岩切信一郎(美術史家)
申込締切:6月10日
※「夢二繚乱」展関連記念講演会申し込み方法
往復はがきに講座名、氏名・年齢、住所、電話番号を記載し、各講演会の申込締切日までに下記へ郵送(いずれも当日消印有効)
1講座につき1枚、応募者多数の場合は抽選。
〒100-0012 千代田区日比谷公園1-4
千代田区立日比谷図書文化館文化財事務室
Tel. 03-3502-3348 / FAX 03-3502-3361