1枚の紙から作る折り紙、コンピューター進化によりもはや折り紙の域を超える

2018.04.04
じっくり眺めているとトリップしてしまいそうな「クスダマ」シリーズ。1人の女性アーティストによるこれらの紙で作られたアート作品が、続々と公開されている。作者はエカテリーナ・ルカシェバ(Ekaterina Lukasheva)、ロシア出身のアーティストだ。


彼女は幼い頃から世界中の建築やアート、数学ゲームやパズルを親しみ、魅了されてきた。そして大人になるにつれ次第にコンピューターサイエンスや数学の世界へのめり込んだ。その背景もあり、折り紙のおける幾何学の可能性を感じることができたのだという。ルカシェバによると、彼女の作り出す作品たちの半分は美しさ、もう半分は複雑な折り紙を生み出す探究心から出来ている。それを証明するように作品を見ていると驚きとともに、実に繊細で丁寧に練られたものだと肌で感じられる。

クスダマ・シリーズはどれも1枚の紙に、構成された複雑な折り方を施すことで生み出されている。いきなり折り始めて完成するようなものでは到底なく、その一つひとつのデザインに数ヶ月をかけることもあるそうだ。デザインは彼女の得意分野である数学の知識を用いて正確に、そして綿密に行われる。また使用する紙の選定にもとにかくこだわる。思い描いた色味を作品に反映させるために、時には紙を自身でペイントしてから使用することもあるのだとか。全ては彼女の大事にしている、「ありふれた形を使うより、まったくの新しいものを作り出す」というモットーにおける過程だ。


折る作業には特別な道具は用いず、ひたすら手で行う。そのためその技術を完璧に人へ伝授することは難しいと語っていた。しかし自分でも作ってみたいという声が多いため、現在はチュートリアルの出版やウェブサイトにてダイアグラムの公開をしている。作品の販売もコンタクトを取れば行なっているとのことだ。


※本記事は (引用元: http://kusudama.me/)に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
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