2018年6月12日から15日までイタリア・フィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソで開催される第94回ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGENE UOMO)のメインプログラムの概要が発表された。
ゲストデザイナーとしてロンドンをベースに活躍しているクレイグ・グリーン(Craig Green)、スペシャルゲストとしてロヴェルト カヴァリ(Robert Cavalli)がポール・サリッジ(Paul Surridge)によるメンズウエアのファーストコレクションとなる2019年春夏コレクションがランウェイ形式で発表される。
クレイグ・グリーンはロンドンのセントマーチン大を卒業後2012年にブランドをスタートし、クリストファー・ネメス、ジョン・ガリアーノ、アレキサンダー・マックイーン、フセイン・チャラヤン、ガレス・ピューなど英国らしいアーティスティックなクリエーションで注目を集めてきた。ドーバー ストリート マーケットで毎シーズン展開されるコレクションはカルト的なファンを抱え、シグニネチャーであるワークジャケットの再解釈と、この数シーズンのユニフォームをテーマにした作品はメンズファッションのトレンドにも大きな影響を与えている。2017年にはモンクレールとのコラボも発表、ロンドンの新星に期待がかかる。
フィレンツェをホームタウンとするロベルト カヴァリが、メンズコレクションのワールドローンチで地元に凱旋する。2015年にイタリアの投資ファンドに買収された同ブランドの復興を委ねられた新デザイナーのポール・サリッジは2018年春夏コレクションのウィメンズで、同ブランドの遺産を受け継いだ新たなラグジュアリーのデイリーウエアを提案。今回ピッティ・ウオモで、都会的なブランドのライフストーリーを引き継ぎ、新しいメンズスタイルを披露する。
さらにピッティ・ウオモの期間中から7月22日までサンタ・マリア・ノヴェッラ教会において、ロシアで6月14日に開幕する サッカーワールドカップ2018に合わせて企画展「ファナティック・フィーリングス/ファッション・プレイ・フットボール(FANATIC FEELINGS - Fashion Plays Football)」を開催する。同イベントには日本からイラストレーターの田辺ヒロシが、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)と並んでイラストレーションで参加。サッカープレイヤーがファッション界の黎明期よりテーラリングとスポーツウエアの融合を促し、ファッションに先駆的な影響を与えてきた事実にフォーカスする。
同イベントは現代美術評論家フランチェスコ・ボナーミによって厳選されたカカ、エディンソン・カバーニ、ジェローム・ボアテング、メスト・エジルら有名選手をフィーチャーした2002年から2018年までのサッカー選手のファッションのアーカイブを掘り下げる。未公開写真やデザインプロジェクトも含まれており、サッカー界のアイコンでありファッショニスタのジョージ・ベストやエリック・カントナ、ジジ・メローニらの人生を辿る。ストリートスタイルのセクションでは、デビッド・ベッカム、ネイマール、フランク・リベリーら洒落者プレイヤーのトレーニングや試合後のファッションスタイルを特集する。また、アーティストのダグラス・ゴードンとフィリップ・パレノのドキュメンタリーフィルム『ジダン:21世紀の肖像画』も上映される。
また、今回ピッティ・ディスカバリー財団とピッティ宮殿のモード&コスチューム美術館の共催にて、ピッティ宮殿で特別展示「EVOLUTION - INVOLUTION - REVOLUTION」を開催。ここ数10年のメンズファッションの変遷を社会的状況と文化的な側面と共に、ステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)がキュレーションする。80年代からミラノファッションのメインストリームで活動し、そのアカデミックな視点、収集家としても定評のあるピラーティによるこの企画展は10月21日まで行われる。
Text: Tatsuya Noda