大阪・天王寺の新しいランドマーク「あべのハルカス」タワー館の中核施設「あべのハルカス近鉄本店」が、13日のオープンに先駆けて公開された。
高さ300mの「あべのハルカス」タワー館は、地下2階から地上14階までが近鉄本店、その上は60階まであり、美術館、オフィステナント、大阪マリオット都ホテル、展望台が入店する。近鉄本店より上の階層は来年春にグランドオープン予定。また今秋にはタワー館と連結するウィング館に専門店街がオープンし、両館合わせた売り場面積は10万平方メートルとなる。初年度売上高は1450億円(百貨店部分売上高と専門店部分の取扱高を合計した売上高)を見込む。
空間デザインを担当したインフィクスの間宮吉彦氏は「モノ、コト、ヒトとの出合いの場として街のような場を作った」と説明。「街の持つ楽しさ、多様性をどう取り入れるかを工夫した」という。その上で「変化することで楽しさを生み出す」としている。タワー館には四つの広場を設け、デザインアクセントとするとともに来店客の憩いの場とした。
取締役専務執行役員で店長を兼ねる中田基之氏は「鉄道の30分圏内を商圏と考えており、その圏内の260万世帯・630万人の人口を取り込みたい」と話す。更に「天王寺地区は通勤者の多い梅田や難波と異なり、地場に住んでいる人も多いので地域密着で取り組みたい」と意気込みを見せる。天王寺はJR、近鉄、地下鉄が乗り入れる大阪市内第3のターミナルエリアで乗降客数が多いばかりでなく、百貨店周辺には住宅地も多いことで知られている。
特に注目する売り場としては7階の紳士服売り場「メジャーメイド」と8階子供服売り場の「ワンダーアパートメント」。イージーオーダー売り場「メジャーメイド」にはオンワード樫山が設置した3Dバーチャルオーダーシステムがある。これはメンズイージーオーダーとしては日本初の試みで、タブレット端末に3次元グラフィックでスーツの画像が映され、色柄を自由に変えられることに加え、画像を360度回転させることができるため、様々な角度からの見え方がシミュレートできる。
また、「ニノ」「タペット」「マルーク」「プチシュクレ」の個性派子供服4ブランドを集めた「ワンダーアパートメント」は西宮阪急に続く2号店。この他、上層12階から14階のレストラン街「あべのハルカスダイニング」には44店舗2,800席がオープン。10階のリビング売り場には百貨店初となる「アクタス」大型店や、「ウニコ」が入店している。