ドイツのヴァイマールに設立された先進的な総合芸術学校、バウハウス(Bauhaus)創設100年記念の展覧会「バウハウスへの応答」展が、8月4日から10月8日まで京都国立近代美術館で開催される。
ドイツのヴァイマールに1919年に設立され、2019年に創設100年の節目を迎える、先進的な総合芸術学校バウハウス。同展は、100周年に際してドイツで開催される記念事業「バウハウス100」の主要な国際プロジェクト「bauhaus imaginista」の一環として、日本国内で唯一の展覧会となる。
総合的造形芸術教育機関であるバウハウスが、その設立に際して公にした「バウハウス宣言」の表紙には、建築・絵画そして彫刻、3つの芸術ジャンルを表した尖塔をもつゴシック様式の聖堂が描かれている。絵画・彫刻からデザインさらには建築にいたる造形活動を、手仕事の実践を重視しつつ、包括的に教えるという目的をもつこの学校の宣言を著したのは、創設者であるヴァルター・グロピウスであり、その理念の象徴として聖堂の木版画を寄せたのは、バウハウス教員のひとり、ライオネル・ファイニンガーだった。宣言で表明されたバウハウスの教育理念は、独創的なカリキュラムとともに、ドイツ国内のみならず、遠くはインド、そして日本にまで多大なる影響を及ぼしていった。
同展では、この「バウハウス宣言」の世界的な受容と展開を、特に日本とインドでの事例に焦点を当てて紹介する。バウハウスの教育理念とそのカリキュラムは、その内部での展開だけではなく、それが受容された各国で、地域の社会や文化とどのように結びつき、いかなる展開を遂げたのか。その足跡を、ドイツ、日本そしてインドなどに残されている100点あまりの関連資料や記録、当時の学生たちの作品などによって辿る。
バウハウス学生による習作や、山脇巌・道子夫妻のバウハウス留学時の写真を納めたスクラップ・ブック、インドとバウハウスの関係を示す資料や作品など、多数の資料が日本初公開となる他、日本での「構成教育」を主導した川喜田煉七郎がグロピウスを抑えて4等入選を果たした幻の国際コンペ作品「ウクライナのハリコフ劇場」の、自身が開催した「生活構成展覧会」でも展示された模型を原寸大で再現する。また、ルカ・フライ、オトリス・グループという気鋭のアーティスト2組に、日本とインドそしてバウハウスをめぐる作品の制作を委嘱。彼らの作品は、バウハウスの受容と展開の歴史性だけではなく、その現在性についての視座をも我々に与えてくれるだろう。
関連イベントとして、8月12日の14時から、レクチャー&ディスカッション「バウハウスと日本」を開催。講師は神戸大学教授の梅宮弘光と、キュレーターのヘレナ・チャプコヴァー。モデレーターは京都国立近代美術館特定研究員の本橋仁が務める。また、9月22日の17時からは、講師にIn-Field Studio、歓藍社の佐藤研吾を迎え、講演会「シャンティニケタンから建築とデザインを考え、学び、作る」が開催される。いずれも、同美術館1階講堂にて、聴講無料、先着100名限定。8月12日は11時より、9月22日は16時より、1階受付にて整理券を配布する。
バウハウスの活動期間は、第一次世界大戦敗戦直後の1919年の開校から、ナチス政権によって閉校を余儀なくされる1933年までの、わずか10年あまり。しかし、敗戦という社会状況を背景に著された「バウハウス宣言」は、美術・デザイン教育の刷新だけではなく、社会そのものの刷新をも目指すものだった。それゆえに、バウハウスの教育理念そしてそれを実現に導く教育プログラムは、さまざまな媒体を通して瞬く間に世界へと拡がり、それぞれの地域の状況と呼応しながら独自の展開を遂げることになった。
「バウハウス宣言」を起点に、改めてバウハウスの意義を考えるだけではなく、美術教育における理念と実践そしてその社会との繋がりの重要性や、グローバル化と地域のコンテクストの関わりやその交流など、同展が、今日の私たちを取り巻く様々な問題を考えるきっかけとなるだろう。
ドイツのヴァイマールに1919年に設立され、2019年に創設100年の節目を迎える、先進的な総合芸術学校バウハウス。同展は、100周年に際してドイツで開催される記念事業「バウハウス100」の主要な国際プロジェクト「bauhaus imaginista」の一環として、日本国内で唯一の展覧会となる。
総合的造形芸術教育機関であるバウハウスが、その設立に際して公にした「バウハウス宣言」の表紙には、建築・絵画そして彫刻、3つの芸術ジャンルを表した尖塔をもつゴシック様式の聖堂が描かれている。絵画・彫刻からデザインさらには建築にいたる造形活動を、手仕事の実践を重視しつつ、包括的に教えるという目的をもつこの学校の宣言を著したのは、創設者であるヴァルター・グロピウスであり、その理念の象徴として聖堂の木版画を寄せたのは、バウハウス教員のひとり、ライオネル・ファイニンガーだった。宣言で表明されたバウハウスの教育理念は、独創的なカリキュラムとともに、ドイツ国内のみならず、遠くはインド、そして日本にまで多大なる影響を及ぼしていった。
同展では、この「バウハウス宣言」の世界的な受容と展開を、特に日本とインドでの事例に焦点を当てて紹介する。バウハウスの教育理念とそのカリキュラムは、その内部での展開だけではなく、それが受容された各国で、地域の社会や文化とどのように結びつき、いかなる展開を遂げたのか。その足跡を、ドイツ、日本そしてインドなどに残されている100点あまりの関連資料や記録、当時の学生たちの作品などによって辿る。
バウハウス学生による習作や、山脇巌・道子夫妻のバウハウス留学時の写真を納めたスクラップ・ブック、インドとバウハウスの関係を示す資料や作品など、多数の資料が日本初公開となる他、日本での「構成教育」を主導した川喜田煉七郎がグロピウスを抑えて4等入選を果たした幻の国際コンペ作品「ウクライナのハリコフ劇場」の、自身が開催した「生活構成展覧会」でも展示された模型を原寸大で再現する。また、ルカ・フライ、オトリス・グループという気鋭のアーティスト2組に、日本とインドそしてバウハウスをめぐる作品の制作を委嘱。彼らの作品は、バウハウスの受容と展開の歴史性だけではなく、その現在性についての視座をも我々に与えてくれるだろう。
関連イベントとして、8月12日の14時から、レクチャー&ディスカッション「バウハウスと日本」を開催。講師は神戸大学教授の梅宮弘光と、キュレーターのヘレナ・チャプコヴァー。モデレーターは京都国立近代美術館特定研究員の本橋仁が務める。また、9月22日の17時からは、講師にIn-Field Studio、歓藍社の佐藤研吾を迎え、講演会「シャンティニケタンから建築とデザインを考え、学び、作る」が開催される。いずれも、同美術館1階講堂にて、聴講無料、先着100名限定。8月12日は11時より、9月22日は16時より、1階受付にて整理券を配布する。
バウハウスの活動期間は、第一次世界大戦敗戦直後の1919年の開校から、ナチス政権によって閉校を余儀なくされる1933年までの、わずか10年あまり。しかし、敗戦という社会状況を背景に著された「バウハウス宣言」は、美術・デザイン教育の刷新だけではなく、社会そのものの刷新をも目指すものだった。それゆえに、バウハウスの教育理念そしてそれを実現に導く教育プログラムは、さまざまな媒体を通して瞬く間に世界へと拡がり、それぞれの地域の状況と呼応しながら独自の展開を遂げることになった。
「バウハウス宣言」を起点に、改めてバウハウスの意義を考えるだけではなく、美術教育における理念と実践そしてその社会との繋がりの重要性や、グローバル化と地域のコンテクストの関わりやその交流など、同展が、今日の私たちを取り巻く様々な問題を考えるきっかけとなるだろう。
【展覧会情報】
「バウハウスへの応答」展 bauhaus imaginista: Corresponding With
会期:8月4日~10月8日
会場:京都国立近代美術館 4階コレクションギャラリー
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
時間:9:30~17:00、金・土曜日9:30~21:00(入館は閉館の30分前まで)
料金:一般430円(220円) 大学生130円(70円)
※( )内は20名以上の団体料金、本料金でコレクション展も入場可能、高校生以下・18歳未満および65歳以上・心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(入館の際に証明できるものを提示)
※8月4日・11日・18日・25日は無料観覧日
※金・土曜日の17:00以降は、夜間割引として一般220円、大学生70円
休館日:月曜日 ※9月17日、24日、10月8日は開館、9月18日、25日は閉館
「バウハウスへの応答」展 bauhaus imaginista: Corresponding With
会期:8月4日~10月8日
会場:京都国立近代美術館 4階コレクションギャラリー
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
時間:9:30~17:00、金・土曜日9:30~21:00(入館は閉館の30分前まで)
料金:一般430円(220円) 大学生130円(70円)
※( )内は20名以上の団体料金、本料金でコレクション展も入場可能、高校生以下・18歳未満および65歳以上・心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(入館の際に証明できるものを提示)
※8月4日・11日・18日・25日は無料観覧日
※金・土曜日の17:00以降は、夜間割引として一般220円、大学生70円
休館日:月曜日 ※9月17日、24日、10月8日は開館、9月18日、25日は閉館