日本橋三越本店が10月24日、再開発(第一期)グランドオープンした。前日の23日にはグランドオープンに先駆けて内覧会とオープニングセレモニーなどが開催され、本館1階の隈研吾デザインの「白く輝く森」やフラワーアーティスト、ダニエル・オスト(Daniël Ost)による全長3メートルのフラワーインスタレーション「迎え花」など、新しい日本橋三越本店が公開された。
「世界をときめかすもてなしの技。新しい日本橋の三越本店」を目指した今回の再開発。中央ホールや天女像などを変わらない象徴としながら、21世紀の新しい環境の象徴として「白く輝く森」をデザインしている。また、「一人一人のお客様の御要望におこたえする」をテーマに、人、環境、サービス、商品の4つのおもてなしをデジタルでサポート。従業員・スタイリストを再編成し、30人のガイド、90人のコンシェルジュなど、人によるおもてなしを行うほか、1階ライオン口の「迎え花」や着物姿の女将によるお出迎え、3階と5階のパーソナルショッピングデスクでのパーソナルカラー診断やギフト提案など、111のサービスを行っていく。
本館1階レセプションで行われたオープニングセレモニーで三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長は「30年ぶりの大規模なリニューアルによって最高の環境ができあがった。2年前リモデルに当たって店頭をきれいにするだけでなく、人のおもてなしの力、ITの力、環境の力、サービス施設などを総合的にとらえ、新しい百貨店を作ってほしいという宿題を出してできあがったのが今回のお店。まだ修正しなければいけない点もあるが、皆様の忌たんのない意見を聞きながら、お客様とともに成長していきたい」と挨拶。
隈研吾とダニエル・オストによるトークセッションで、今回のデザインについて隈氏は「小さい頃、ここ(日本橋三越本店)に来ると夢の世界に紛れ込んだように輝いていた。今回は忘れられない輝きを取り戻すのかを考え、森にしようと思い、白い柱の上に特別な加工を施したアルミを小さな花びらのように配することで、森の中に紛れ込み、木漏れ日を浴びる様子を想像しながら作った。重要文化財で触ってはいけない柱などを一切傷つけずに作るのは難しかったが、シュミレーションで最適な形を作り、想像していた通りのものができて感動している。また、オスト氏が生き物であり、図面をかけない花を選び、ほとんど眠らずに作っている様子は神が乗り移っているようだった。彼のものすごいエネルギーも見てほしい」と説明。オスト氏は「入り口の迎え花は、森に調和するモチーフとして、灰の中から蘇る、再生の象徴である象徴であるフェニックスをコンセプトにした。天女像もインスピレーションの一つになっている。女神像の横にある花はヨーロッパから持ってきた特別な花」などと語った。
また、隈氏は「日本に対して世界の注目が集まっているときに、日本に対する熱い視線を受け止める熱い場所や世界に発信する場所になれば」と強調。オスト氏も「次の世代につながるすばらしい遺産、レガシーになると思う」と話した。トークセッション後にはオスト氏から隈氏に本が贈られた。