ごみ処理施設にホテル? 徳島県上勝町の世界的エコプロジェクトによる複合施設が2020年春に誕生

2018.12.07
ごみゼロを掲げる徳島県勝浦郡上勝町に、ごみステーション、ラーニングセンター、ホテル、ラボラトリー、体験案内所の複合施設「WHY(仮称)」が、2020年初春開業する。
施設イメージ
地域でごみゼロを掲げ、住民全員が気で取り組む徳島県勝浦郡上勝町。上勝町では2003年に日本の自治体として初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行なって以来、ごみステーションに自らまたは近所の人たちが協力してごみを運ぶ。ごみステーションでは再利用できるよう45項目に分けられたごみステーションに自らごみを分類。この想像を超える取り組みを上勝町の住民は16年も続けている。そして視察や観光客も多くなってきた現在、上勝町が新たな取り組みとして、ごみステーションの壮大なリニューアルを行うことが決定した。

ごみステーションは設置から20年が経過し、視察者も増加。この住民全体が取り組むゼロ・ウェイストに対する取り組みをもっと深く見せつつ、住民がごみを捨てやすい環境を作りたいという思いの元、ごみステーションに変わる新しい施設を開業する。同施設の愛称は「WHY(仮称)」。なぜここに?なぜごみを?という問いかけに答えを見つける場所となるような思いが込められている。

ホテル(体験型宿泊施設)イメージ
同施設にはごみステーションの他に、ラーニングセンター、体験型宿泊施設となるホテル、ラボラトリー、アドベンチャー&エコロジーツーリズム案内所が併設。総合プロデュースはTRANSIT GENERAL OFFICEが担当。そして建築設計は、大量消費・大量生産社会を問題視する次の建築を目指し、上勝町で伐採された杉材や不要になった建具や家具などを活用して、中村拓志&NAP建築設計事務所が担当する。

ゴミ捨て場であるごみステーションにホテルとは常識を超えた発想だが、そもそもゼロ・ウェイスト宣言とは、未来のこどもたちにきれいな空気や美味しい水、豊かな大地を継承する事が目的。上勝町は、訪れた人がまだ見ぬ未来が同じ景色であって欲しいと願うほど美しい場所。長期間滞在することで多くの体験をしてもらう必要な要素としてホテルを併設することになった。上勝町の谷が眼下に広がり壮大な景色が見られる部屋など4部屋を用意。施設内で年に数回企画されるサスティナブルラーニングの為のセミナールーム、3R活動に興味ある大学や企業向けに貸し出す研究室や、アドベンチャー&エコロジーツーリズムの案内所を設置し、上勝町の自然の恵みを取り込んだフライフィッシング、レイクカヤック、リバーピクニック、トレイルランニング、循環型ライフ体験などフィールドアクティビティーを体験できるプログラムを計画中だ。

今回、同施設を経営するBIG EYE COMPANY設立に伴い、代表取締役を12月1日より募集開始。募集要項は「WHY」のHPにて確認できる。

【施設情報】
WHY(仮称)
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦94番地4
オープン日:2020年初春
編集部
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